こんにちは。ブログ運営者のcoffeeです。私は理系大学院を卒業後、メーカーで開発職を経験し、現在は知財部で働く弁理士です。
このブログでは、私が働きながら弁理士試験に最短・最安で合格した実体験をもとに、これから資格取得を考えている方に向けて情報を発信しています。
さて、最近特に注目されているのが「弁理士と中小企業診断士のダブルライセンス」というキャリア戦略です。私は弁理士として働く中で、「この資格だけでは将来に不安を感じる」という声をたびたび耳にします。特に企業知財部や特許事務所においては、技術の専門家であるだけでなく、ビジネス全体を俯瞰できる人材が求められています。
そんな中、ビジネスの視点を補完してくれる国家資格「中小企業診断士」の存在がクローズアップされています。
この記事では以下の流れで、「弁理士 × 中小企業診断士」という組み合わせの価値や、取得後のキャリア・転職事情、勉強方法まで詳しく解説していきます。
【第1章】弁理士と中小企業診断士、それぞれの資格の特徴
弁理士とは?
弁理士は、知的財産権に関する専門職であり、主に特許・実用新案・意匠・商標の出願や権利化を支援する国家資格です。理系出身者や技術者との親和性が高く、特許事務所や企業の知財部などが主な就職先となります。
【弁理士のポイント】
- 国家資格(知的財産の専門家)
- 技術と法律の両方に精通する必要がある
- 平均年収は600〜800万円(経験や業界により異なる)
- 特許事務所、企業知財部、独立など多様な働き方が可能
私自身も技術者から知財部に異動後、働きながら弁理士試験に合格しました。スタディング弁理士講座を活用し、10万円以内の費用で突破できたのは大きな成果でした。
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中小企業診断士とは?
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格であり、企業の経営課題を分析し、改善提案を行う専門家です。経済・財務・運営・ITなど、幅広い知識が問われるのが特徴です。
【中小企業診断士のポイント】
- 国家資格(経営全般のアドバイザー)
- 経営者と対等に話せる知識を持つ必要がある
- 資格取得後、独立・副業・転職の幅が広がる
- 「士業の中のMBA」と呼ばれることもある
診断士は特許のような「モノ」にフォーカスする弁理士とは異なり、経営全体を見る力が求められるため、2つの資格を組み合わせることで非常に相乗効果の高いキャリアが築けるのです。
【第2章】なぜ「弁理士 × 中小企業診断士」が注目されるのか?
弁理士と中小企業診断士は、それぞれ独立した国家資格として確立しています。しかし、両者を掛け合わせたダブルライセンス戦略が、ここ数年でビジネスパーソンの間で注目されているのには明確な理由があります。
1. 技術と経営の両視点が求められる時代
かつての弁理士は、いわゆる「特許のプロ」として、明細書を作成し、出願・中間処理業務を淡々とこなすことが中心でした。しかし、昨今のイノベーション重視の時代においては、**「この発明はどれくらいビジネスに役立つのか?」「知財戦略をどう経営戦略に落とし込むか?」**という視点がますます重要になっています。
そこで求められるのが、技術に加え、経営的な目線を持つ弁理士です。
たとえば、スタートアップの知財支援や、企業の技術ブランディング、IPランドスケープ(知財による市場分析)などの業務では、「経営の言葉が分かる弁理士」が重宝されます。
中小企業診断士の知識があることで、以下のような場面で武器になります。
- 発明のビジネス価値を見極める
- 経営者と対等に話ができる
- 経営計画書や補助金申請書の作成支援も可能になる
技術×経営という異分野の掛け算が、これからの弁理士にとって大きな武器になるのです。
2. ダブルライセンスによる独立・副業の幅の広がり
弁理士資格を取った後、「独立してやっていけるか?」という悩みを持つ方は少なくありません。特に特許事務所に勤めている方の中には、業界の将来性に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
ここで中小企業診断士の出番です。
この資格は、副業解禁の流れと相まって、独立・副業の強力な後押しになることが知られています。診断士は、補助金申請支援、経営コンサルティング、IT導入支援など、行政や企業からのニーズも強く、案件獲得のチャンスが豊富です。
弁理士業務だけではクライアントワークが限定されがちですが、診断士の知見を活かすことで、たとえば以下のような提案も可能になります。
- 「技術×知財×経営」のトータル支援
- 中小企業向けの知財コンサルティングパッケージ
- 補助金+特許出願支援などのセット提案
このように、知財の専門家+経営のアドバイザーとしての立ち位置を確立できるのは、弁理士だけでなく診断士の資格があるからこそです。
3. 転職市場でも差別化できる存在に
「今の職場ではキャリアが頭打ちかもしれない…」そう思っている弁理士や知財部員の方にとっても、中小企業診断士の資格は大きな武器になります。
最近の転職市場では、単なる資格保有ではなく、「複数分野の知見を持ち合わせた人材」が非常に高く評価される傾向にあります。
弁理士+診断士の組み合わせはまさにそれで、たとえば以下のような職種でニーズが高まっています。
- IP経営戦略コンサルタント
- 知財×経営のハイブリッドポジション
- ベンチャー支援・知財専門家
- 自治体・中小企業支援機関でのコンサルタント業務
中には年収800〜1,000万円超えの求人も存在しており、「知財だけにとどまらないビジネス人材」として、ポジションの選択肢が広がることがわかります。
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また、弁理士資格取得後の転職についてはこちらの記事にまとめています。
【第3章】弁理士が中小企業診断士を取るメリット・デメリット
ダブルライセンスの魅力を感じたとしても、「実際に診断士を取るべきか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、弁理士が中小企業診断士を取得することのメリット・デメリットをリアルにお伝えします。
メリット①:知財スキルの価値を引き上げられる
弁理士は知財のプロフェッショナルですが、企業の経営層にとっては「特許の専門家」という印象が先行しがちです。
そこで診断士の資格があると、経営的な視点を持ってアドバイスできることが証明されます。
たとえば、以下のような発言にも説得力が増します:
- 「この技術は今後の中期経営計画と合致しています」
- 「この出願は競合優位性に貢献するので補助金も狙えます」
- 「知財の棚卸しと収益化を組み合わせて提案します」
このように、経営課題を理解したうえでの知財提案ができる弁理士は、事務所内でも企業内でも貴重な存在となります。
メリット②:将来的な独立・副業の布石になる
近年、副業解禁やフリーランス推進の流れを受けて、「資格を使って個人で稼ぐ」ことに関心が高まっています。
中小企業診断士は、その点で非常に相性が良い資格です。というのも、
- 診断士協会による仕事紹介制度がある
- 補助金や助成金関連の案件が豊富
- 独立診断士の約4割が年収1,000万円以上とも言われている
といった特徴があるためです。
弁理士業だけでは取れなかった顧客層や、行政とのつながりも作れるため、将来的に「技術+経営」の両面から支援できるフリーランス弁理士」になる道が広がります。
メリット③:中小企業支援・地方創生への貢献も
弁理士の仕事は都会・大企業寄りになりがちですが、中小企業診断士の資格があると、地方の中小企業支援に関わるチャンスも増えます。
これは、以下のような形で現実になります:
- 地方自治体や商工会議所からの依頼でセミナー講師
- 経営改善計画の作成支援
- 補助金申請と特許戦略を組み合わせた提案
「地域の技術を守る」「地方からのイノベーションを後押しする」ことができる点は、やりがいの面でも非常に大きなメリットです。
デメリット①:合格までの学習負荷が大きい
中小企業診断士試験は、「一次試験(7科目)+二次試験(筆記+口述)」の構成で、難易度もなかなかのものです。
- 一次試験では、財務会計・経済学・法務・情報など、普段触れない科目がズラリ
- 二次試験では、抽象的な事例を読み解き、論理的に記述する力が問われる
弁理士試験合格者であっても、診断士試験はまったく別ジャンルと考えておいた方がよいです。
デメリット②:短期での資格活用が難しいケースも
診断士に合格したからといって、すぐに副業・転職に結びつくとは限りません。
診断士として実務ポイントを積むには一定の期間が必要ですし、独立するにしても人脈づくりや経験値がモノを言います。
そのため、「とりあえず資格を取っただけ」では宝の持ち腐れになることも。しっかり活かすには戦略的な活用が不可欠です。
【第4章】弁理士が中小企業診断士を目指すための勉強戦略
中小企業診断士の試験は、弁理士と異なり「経済・財務・経営・法務」などの幅広い科目をバランスよく学ぶ必要があるため、特に理系出身の弁理士にはなじみのない分野も出てきます。
ここでは、働きながら診断士を目指す弁理士に向けた、現実的な勉強スケジュールや学習法を詳しく紹介します。
学習ステップ①:まずは一次試験の全体像を把握
診断士試験の一次試験は以下の7科目です:
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
これらを同時に学ぶのは非効率なので、まずは得意分野から着手し、理解を深めつつ、徐々に範囲を広げるのがおすすめです。
特に弁理士との親和性が高いのは「経営法務」「情報」「中小企業政策」など。
反対に「経済」「財務・会計」はつまずく人が多いため、早めの対策が鍵となります。
学習ステップ②:スキマ時間を活用して記憶を定着
働きながら資格を取った経験から言うと、**合格のカギは「スキマ時間の活用」と「中長期的な計画」**です。
以下のような時間を活用すると、学習効率が飛躍的に高まります:
- 通勤時間にYouTube講義や音声講座
- 昼休みにスマホアプリで過去問1問だけ
- 仕事終わりに30分だけ暗記系の復習
診断士試験は出題範囲が広いため、1日15分でも継続が合否を分けることになります。
学習ステップ③:弁理士の知識を活かして勉強の「軸」を作る
弁理士であることは、決して診断士試験にとって無関係ではありません。
たとえば、
- 「経営法務」は特許法や独占禁止法、著作権法などが出題される → 弁理士の得意分野
- 「中小企業政策」では知的資産経営や技術支援策など、知財寄りの内容が出る
つまり、弁理士の知識が活きる分野を軸にして全体を構築することで、学習のブレを防げます。
今から始めていつ受かる?スケジュール感は?
標準的な学習期間は約8〜12ヶ月。以下のようなスケジュールで取り組むと、仕事をしながらでも合格が見えてきます:
月数 | やること |
---|---|
1〜3ヶ月 | 得意分野から始めて全体像を把握 |
4〜6ヶ月 | 苦手科目の克服&横断的理解を深める |
7〜9ヶ月 | 模試・過去問で実力を確認 |
10〜12ヶ月 | 弱点補強&直前対策に集中 |
なお、一次と二次を1年で一気に突破する人も増えています。忙しい人こそ、スタディングのような短期集中型教材で「合格までの最短ルート」を狙ってみてください。
【第5章】弁理士×中小企業診断士で広がるキャリアの可能性
弁理士と中小企業診断士のダブルライセンスを持つことで、専門性とビジネス視点を兼ね備えた知財人材としての道が大きく開かれます。
とくに以下のような業界・職種での引き合いが強まります:
① 知財戦略コンサルタント
大企業やベンチャー企業が知財の活用方法を模索する中、知財と経営を橋渡しできる人材の需要が増えています。
- 弁理士:知財の制度・戦略構築に強み
- 診断士:経営分析・中小企業支援に強み
この組み合わせは、知財経営のコンサルとして非常に貴重です。
② 中小企業の知財顧問/経営アドバイザー
地域の中小企業は、知財をどう使えばよいか分からないことが多いのが実情です。
そこで弁理士×診断士の資格を持つことで、「特許+経営支援」両面からサポートができるようになります。
また、以下のような公的機関でも活躍できます:
- 商工会議所のエキスパートバンク
- 中小企業支援センター
- 地域の知財総合支援窓口(INPIT)
実際、弁理士でありながら診断士の知識を活かして独立した方の体験談も多く見られます。
③ フリーランス・独立も視野に入る
弁理士資格は「士業」の中でも比較的収益性が高い資格ですが、経営的視点に乏しいと独立後に苦労するケースもあります。
診断士の知識があれば、以下のような選択肢が増えます:
- クライアント企業の課題に幅広く対応
- 製品企画・ブランディング・補助金活用まで支援
- 弁理士事務所の経営戦略にも活かせる
実際、副業的に顧問業務をスタートし、徐々に独立というルートも現実的です。
✔ こんな人におすすめ!
- 今後、知財部からキャリアアップを狙いたい方
- 弁理士としての将来性にやや不安を感じている方
- 定年後の「セカンドキャリア」を真剣に考えている方
これらに当てはまるなら、中小企業診断士の学習は将来の選択肢を格段に広げてくれるはずです。
✔ 転職で価値が高まるダブルライセンス
求人市場でも、弁理士×診断士の組み合わせは年々注目度が高まっています。
たとえば以下のような求人が実際に増えています:
- 知財戦略担当(年収700万〜1000万円)+経営支援経験者優遇
- ベンチャー向け支援コンサル(技術+経営の両方に精通)
こういった求人は、一般的な転職サイトでは見つけにくいため、ハイクラス専門の転職エージェントを活用するのがベストです。
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【まとめ】弁理士×中小企業診断士は今後のキャリアを強くする“武器”
弁理士と中小企業診断士のダブルライセンスは、単なる資格の掛け算ではありません。
知財×経営、技術×ビジネスを横断することで、他にはない独自の市場価値を創出できます。
私は理系出身で知財の世界に入りましたが、診断士の勉強を始めてからは、「技術をどう活かすか」という視点がぐっと広がったと感じています。
知財を本当の意味で活かすには、経営の理解が必要不可欠――この事実に気づけたのは大きな転換点でした。
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