こんにちは、ブログ運営者のcoffeeです。
私はメーカーの開発職からキャリアをスタートし、知財部へ異動後に弁理士試験に挑戦。2022年に働きながら弁理士資格を取得し、現在も知的財産分野で活動しています。
この記事では、
- 弁理士って本当にフルリモートで働けるの?
- どんな仕事がリモートに向いているの?
- フルリモートで働くメリット・デメリット
- これから弁理士を目指す人に向けた勉強の始め方
など、「弁理士×フルリモート」のリアルな現状と未来を現役弁理士の視点でお伝えします。
在宅勤務や地方移住、副業など、場所にとらわれない働き方を目指す人にとって、「弁理士」はかなり魅力的な選択肢になるかもしれません。この記事を通して、あなたのキャリアの選択肢が少しでも広がれば幸いです。
第1章:弁理士はフルリモートで働ける職種なのか?
結論から言うと、弁理士はフルリモートで働くことが十分可能な資格職です。
実際、私の知人弁理士の中には、以下のような働き方をしている方がいます:
- 週5日すべて在宅勤務(都内勤務だが居住地は地方)
- 子育て中のためフルリモート&時短勤務
- フリーランス弁理士として在宅で複数企業と契約
ここ数年のコロナ禍をきっかけに、知財業界も一気にオンライン化が進んだというのが実情です。
たとえば、特許事務所や企業の知財部では以下のような業務が中心です:
業務内容 | リモート適性 |
---|---|
明細書作成 | ◎(在宅向き) |
中間処理対応 | ◎(在宅向き) |
特許調査 | ◎(在宅向き) |
面談・クライアント対応 | ◯(Zoomで可能) |
外国代理人とのやり取り | ◎(メール中心) |
つまり、弁理士の業務の多くはパソコンとネット環境があれば対応できる仕事なんです。
では、なぜフルリモート可能なのに「出社前提」の求人がまだ多いのか?
この理由としては、
- 所長弁理士の方針(昭和的な考えが残っている事務所もある)
- 教育目的で新人は出社を求められるケース
- 情報漏洩への懸念(USB禁止・印刷制限など)
といった組織側の事情が根強く残っているためです。ただ、2025年現在ではフルリモートOKの特許事務所も確実に増えてきているのが実情です。
実際、求人サイトで「弁理士 フルリモート」と検索すると、驚くほど多くの求人がヒットするようになってきました。特に、
- AI、IT、バイオ系の明細書作成に強い事務所
- 外資系企業をクライアントに持つ国際事務所
- 全国に所員が点在しているクラウド型事務所
などがフルリモートに積極的です。
企業知財部の仕事についてはこちらでご紹介しています。
第2章:フルリモート弁理士のメリットと注意点
弁理士という資格は、パソコンとネット環境さえ整っていれば全国どこでも仕事ができる“希少な専門職”です。では、実際にフルリモートで働くことにはどのようなメリットがあり、どんな点に注意が必要なのでしょうか?現役弁理士の目線で、リアルに解説していきます。
メリット①:通勤ストレスからの完全解放
まず第一に、通勤の必要がなくなるという点は非常に大きなメリットです。
弁理士の仕事は知的生産業であり、集中力と頭脳労働が求められます。朝の満員電車で体力を削られた状態でスタートするよりも、自宅でコーヒー片手に静かな環境で仕事を始める方がパフォーマンスが高いというのは、多くの人が実感していることです。
特に私は筋トレが趣味なのですが、出勤時間がなくなったことで朝トレの時間が確保でき、生活の質そのものが大きく改善しました。
メリット②:地方・海外移住も可能
弁理士資格は、日本国内どこに住んでいても仕事ができます。
東京や大阪などの都市圏に事務所が集中しているのは事実ですが、フルリモート体制が整った今、北海道や沖縄、さらには海外に住みながら特許業務をこなすことも現実的です。
実際に私の知人には、
- 宮崎県に住みながら、東京の事務所と業務委託契約している方
- 東南アジアに移住し、現地から日本企業の案件を処理している方
などがおり、「弁理士はロケーションフリーで働ける数少ない資格だ」と改めて感じます。
メリット③:家族・育児との両立がしやすい
特許事務所勤務では繁忙期もありますが、在宅勤務により家族との時間を柔軟に確保できるのも大きな魅力です。
たとえば、
- 子どもを保育園に送ってから業務開始
- 子どもが熱を出しても、在宅で様子を見ながら対応
- 隙間時間に洗濯・料理をこなせる
といった、働き方の自由度が格段に上がります。
とくに女性弁理士や、育児・介護中の方にとって、フルリモート環境は非常に大きな後押しになるのです。
ただし…注意点もある
一方で、フルリモートには以下のような注意点もあります。
注意点 | 解説 |
---|---|
孤独感 | 雑談や情報共有がなくなりがち。SlackやZoomで意識的に交流を。 |
自己管理 | 仕事とプライベートの切り替えが曖昧に。時間管理が重要。 |
教育・相談機会の減少 | 初心者や若手弁理士にはハードルが高くなることも。 |
特に弁理士1年目~2年目の方は、最初から完全在宅だと質問しづらいという声も聞きます。
そのため、フルリモートを目指す場合は、
- 基本的な実務を一通り習得していること
- 自主的に情報を取りにいける力
- 自分を律する自己管理能力
が前提条件になります。
第3章:フルリモートで働く弁理士のキャリアパターン3選
弁理士としてフルリモートで働くといっても、その働き方は人それぞれです。この章では、実際に多くの弁理士が実践している代表的な「リモートキャリアパターン」を3つ紹介し、各パターンのメリット・デメリットを解説していきます。
パターン①:特許事務所と業務委託契約する「外注型フリーランス弁理士」
最も多いのがこのタイプ。既存の特許事務所と業務委託契約を結び、自宅で明細書作成や中間処理を担当する形です。
特徴
- 自分で案件を営業しなくてよい(事務所から割り振られる)
- 勤務時間や勤務場所の縛りがない
- チームより個人プレイが求められる
メリット
- 案件の安定供給が期待できる
- 実力次第で高単価を目指せる
- 複数事務所との契約でリスク分散も可能
デメリット
- 若手は信頼構築に時間がかかる
- 質問・レビューが受けにくい
- 成果物のクオリティに常に厳しい目が向けられる
ある程度の実務経験を積んでからの方が成功しやすいモデルです。
パターン②:企業の知財部に在籍する「在宅型企業内弁理士」
コロナ禍以降、企業知財部でもリモート勤務が進んでいます。特に大企業では完全在宅での勤務OKなケースも増えており、「フルリモート企業内弁理士」という働き方が現実的になっています。
特徴
- 業務は社内発明者とのやり取り・出願・調査など多岐にわたる
- チーム内コミュニケーションもリモートで完結
- 正社員としての安定性がある
メリット
- 給与・福利厚生がしっかりしている
- 長期的に働きやすい環境
- 実務経験を着実に積める
デメリット
- 場合によっては「出社日」が残ることも
- 裁量が少ない(組織の方針に従う必要あり)
- そもそも求人が少ない
企業の「在宅勤務制度」と「知財部の柔軟性」が揃っている場合に成立する形です。
パターン③:完全独立し、自分で顧客を開拓する「リモート型開業弁理士」
弁理士として独立し、自ら特許事務所を立ち上げて自営業者として活動するパターンです。完全リモートにする場合は、ネット経由で顧客を獲得し、全国対応の体制を構築します。
特徴
- 名刺からWebサイト、営業、実務すべて一人で行う
- 自宅を拠点に完全在宅スタイルが可能
- SNSやWeb集客が重要になる
メリット
- 全て自分の裁量で決められる
- うまくいけば高収入も狙える
- ブランディング次第で専門特化も可能
デメリット
- 収入が不安定
- 実務だけでなく営業・経理も必要
- フルリモートでの開業には戦略が必要
このスタイルは経験者かつ強い自律性を持った弁理士に向いており、「地方移住 × 開業」という選択肢も見えてきます。
👉知財・法務系特化のエージェントとしては、リーガルジョブボードをおすすめしています。
今よりも働きやすい事務所に転職できる。 弁理士・特許技術者求人サイト【リーガルジョブボード】
また、弁理士資格取得後の転職についてはこちらの記事にまとめています。
第4章:フルリモートを実現するために必要なスキルと準備
「弁理士 × フルリモート」という働き方を目指すなら、単に資格を取得するだけでは足りません。
実務スキルはもちろんのこと、リモートで仕事を円滑に進めるための「環境」と「ソフトスキル」も重要です。
この章では、フルリモート弁理士として活躍するために欠かせないポイントを、3つのカテゴリに分けて解説します。
1. 明細書作成をはじめとする“実務スキル”
フルリモートで働く上で最も重要なのは、1人でも質の高いアウトプットを出せる実務力です。
具体的に必要なスキル
- 明細書の構成・記載技術(特にPCTや外国出願対応力)
- 意見書・補正書の適切な書き方
- 特許分類(FI/Fターム)や調査知識
- 出願管理ソフトの基本操作(事務所ごとに異なる)
在宅ではレビューやOJTの機会が少ないため、独学でも継続してレベルアップできる力が求められます。
✅補足:試験に合格したばかりの方には、スタディングなどの実務向けコンテンツも活用する価値があります(詳細は後述)。
2. リモートに強い「ITリテラシー」と「自己管理能力」
フルリモートでは、社内ネットワークや先輩のサポートに頼らず、自力で作業を進められるかがカギになります。
必要なITスキル
- Web会議ツール(Zoom、Teamsなど)の活用
- クラウド共有(Google Drive、Dropbox)の扱い方
- Word・Excelでのスムーズな書類作成・加工
- セキュリティ意識(VPNや暗号化通信の理解)
自己管理スキル
- スケジュール管理(納期・稼働時間・進捗)
- 優先順位の設定とタスク分解能力
- 一人作業における集中力とモチベーション維持
これらは弁理士試験では学ばないスキルですが、「独立」や「在宅勤務」では極めて重要です。
3. リモート案件獲得に向けた“営業的な準備”
フリーランスや開業型でリモート案件を得るには、信頼と実績を「見える化」する努力も必要です。
取引先が安心するポイント
- 経歴やスキルセットが分かるプロフィール(Web上で公開)
- 過去の実績を示す簡易なポートフォリオ(※守秘義務に注意)
- レスポンスの速さ・礼儀・正確な納品
また、クラウドソーシングサイトや弁理士向けマッチングサービスを活用することで、地方在住でも全国から案件を受けることが可能になります。
第6章:まとめとフルリモートを目指す方へのアドバイス
ここまで、「弁理士 × フルリモート」の働き方について、私自身の経験や業界の実情を交えて詳しくご紹介してきました。
リモートワークの普及により、弁理士の働き方も変化しています。
特に近年は、出願業務・明細書作成・中間処理の多くが在宅で完結可能になっており、ライフスタイルに応じた柔軟なキャリア選択が可能です。
フルリモートで働く弁理士に向いている人とは?
本記事の内容を振り返ると、以下のような人は「フルリモート弁理士」として活躍しやすいタイプです。
- 独学でも地道に学び、スキルを磨ける人
- コミュニケーション力に加え、文章による説明力がある人
- 納期管理や自己管理をきちんとできる人
- 柔軟にITツールを使いこなせる人
地方在住・子育て中・副業志向など、自分のライフスタイルを大切にしながら専門職で働きたいという方には、まさに最適な働き方だと感じています。
とはいえ、最初の一歩は「弁理士試験の突破」から
いくら理想的な働き方を描いても、弁理士試験に合格しなければスタートラインに立てません。
私は働きながら勉強を続け、1年半で弁理士試験に合格しましたが、その鍵は時間の使い方と効率のよい教材選びでした。
フルリモートを見据えるなら「スタディング弁理士講座」が最適な理由
私が実際に活用していたのが、スタディング弁理士講座です。
スタディングの特長は以下の通り:
特長 | 内容 |
---|---|
スキマ時間に学べる | 通勤中・昼休み・寝る前など、どこでもスマホで学習可能 |
圧倒的なコスパ | 他社と比べて受講料が圧倒的に安く、経済的負担が少ない |
映像講義と問題演習が一体 | インプットとアウトプットの流れがスムーズで定着しやすい |
実務に直結する視点も学べる | 単なる試験対策にとどまらず、現場での考え方も学べる構成 |
実際に私は10万円以下で合格まで進めました。
無駄な時間・お金をかけず、将来の自由な働き方を手に入れたい方には最短ルートになる可能性が高いです。
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【スタディング】受講者14万人突破!スマホで学べる人気のオンライン資格講座申込 (弁理士)私が受けていたStudyingの弁理士講座について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
最後に:フルリモートでも「資格 × スキル × 継続力」が成功の鍵
弁理士という資格は、取得後の活かし方次第で働き方も人生も大きく変わります。
私自身、会社員から知財部に異動し、そこから資格取得→ブログ運営→副業という流れをたどってきました。
将来的には、どこに住んでいても専門性で仕事を得られる人材になれる可能性があります。
その一歩目として、ぜひ今のあなたの環境に合った学び方から始めてみてください。
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