はじめに:弁理士資格だけで終わっていませんか?
弁理士資格は知財分野の王道資格ですが、他の資格と組み合わせることで専門性と市場価値が爆上がりします。近年では、ITスキルや国際業務への対応力が問われる場面も増加中。そんな中、「弁理士+◯◯資格」の組み合わせ=ダブルライセンスは、就職・転職・年収アップのための強力な武器になります。
この記事では、弁理士資格と親和性の高いおすすめの資格を7つ厳選し、それぞれの特徴・メリット・取得難易度・勉強時間・試験日程まで詳しく解説します。さらに後半では、最短合格を目指す通信講座の紹介も行います。
私の転職体験談及び弁理士試験後のキャリアについてはこちらで詳しくご紹介しております。
弁理士と相性の良い資格①:米国特許弁護士(US Patent Attorney)/米国特許代理人(US Patent Agent)
✅ 資格の種類と違い
まず「米国特許弁護士(Patent Attorney)」と「米国特許代理人(Patent Agent)」は異なる資格です。どちらも米国特許商標庁(USPTO)への出願代理が可能ですが、法的業務の範囲が異なります。
区分 | 要件 | 権限 | 日本の弁理士との違い |
---|---|---|---|
Patent Attorney(米国特許弁護士) | USPTO試験合格+米国州の弁護士資格 | 出願代理+訴訟対応 | 米国法務全般に対応可能 |
Patent Agent(米国特許代理人) | USPTO試験合格のみ | 出願代理のみ(訴訟不可) | 出願・中間処理は可、訴訟は不可 |
日本在住の弁理士が目指す現実的な選択肢は、Patent Agentです(米国法学位不要)。しかし、米国弁護士(JD:Jurist Doctor)を取得してPatent Attorneyを目指す方も稀にいます。
✅ 資格の親和性と活用シーン
- 外内出願やPCT経由US移行の対応力が強化
- 米国出願の明細書作成・中間対応が直接可能
- 英語での特許法実務能力がある証明となる
- 特に大手特許事務所・外資系企業での評価が高く、US市場に精通した人材として差別化できます。
✅ 就職・年収への影響
- 大手特許事務所では年収1,000万円超のオファーも現実的。
- 外資系企業の知財部では年収1,200〜1,500万円クラスのポジションも。
- 日米の特許法に精通した人材は稀少で、引き合いが非常に強い。
- 英語力+資格の組み合わせで、国際案件のスペシャリストに。
✅ 難易度・受験資格
USPTO Patent Bar(正式名:Registration Examination)の概要:
- 理系学位(STEM学位)必須:米国大学の化学・物理・生物・工学系など。
- 日本の大学でも、JABEE認定などの学歴証明書提出で受験可能。
- 英語力必須(TOEFL iBT 100相当以上が望ましい)。
- 試験はCBT形式(Prometricセンターで受験)で、英語の法令と判例問題中心。
合格率:約40〜50%(US内でも難関)
✅ 勉強時間・学習期間
- 英語での特許法学習が必要なため、日本人には600〜1,000時間前後の勉強が必要。
- 予備知識のある弁理士なら短縮可だが、英語の法律文書読解が最大の壁。
- 米国特許法に特化した通信講座・参考書・模試対策が必須。
✅ 試験日程・実施形式
- 通年実施(PrometricによるCBT方式)。
- 日本国内(東京・大阪など)でも受験可能。
- 受験申請はUSPTOサイトからオンラインで行う(申請〜受験まで2〜3か月かかる)。
✅ おすすめの学習法
- Patent Education Seriesなど、US向けのオンライン講座が豊富。
- 日本語解説付きの通信講座はほぼないため、英語教材の利用が前提。
- 弁理士向けの英語特化学習(特許英語・明細書英訳)から入るとスムーズ。
👉 英語力強化にはスタディサプリENGLISHやアルクのビジネス英語コースなどが有効です。

弁理士と相性の良い資格②:ITパスポート試験(iパス)
✅ 資格の概要
ITパスポート試験(iパス)は、経済産業省所管の国家試験であり、情報処理技術者試験の一種です。
企業の情報管理・IT導入に不可欠な基礎知識(IT、経営、法律)を幅広くカバーしており、文系理系を問わず「全社会人に必須のITリテラシー試験」とされています。
✅ 資格の親和性と活用シーン
弁理士業務において、以下のようなシーンでITパスポートの知識が生かされます:
- ソフトウェア関連発明の出願書類を理解・作成する際の補助
- AI・IoT・フィンテックなど、IT系スタートアップのクライアント対応
- 企業知財部でのDX推進や情報セキュリティ対応
- 特にソフトウェア特許・ビジネスモデル特許の実務において、ITリテラシーは必須
ITパスポートを取得していることで、「ITに強い弁理士」として社内・顧客からの信頼度も上がります。
✅ 就職・年収への影響
- 弁理士資格+IT知識により、IT系スタートアップやSaaS企業からの案件受託に強くなる
- 企業知財部への転職時に「IT・情報システムにも明るい」というアピールができる
- 特許事務所でも、AI・ブロックチェーン・IoT関連の発明の担当者として重宝
単体での資格価値は高くないものの、弁理士と組み合わせることで実務に直結するスキルとなり、結果的に高単価の案件対応につながる。
✅ 難易度・受験資格
- 誰でも受験可能(年齢・学歴・職歴不問)
- 試験範囲は「ストラテジ(経営)」「マネジメント(プロジェクト)」「テクノロジ(IT)」の3分野
- 合格率:約50〜60%
- 内容は大学一般教養〜新入社員研修レベルで、IT初心者でも取り組みやすい
✅ 勉強時間・学習期間
- IT未経験者で40〜60時間前後の学習が標準
- 文系出身でも、1〜2ヶ月程度の独学で十分合格可能
- 弁理士受験経験者であれば、論理的思考が身についているため短期攻略しやすい
✅ 試験日程・実施形式
- 通年実施(全国のCBT会場で予約制)
- 申し込みから最短1週間程度で受験可能
- 合否は即日判明、正式な合格通知は約1か月後に郵送される
✅ おすすめの学習法・通信講座
- 【独学】:
- 定番書籍『出るとこだけ!ITパスポート』
- 【通信講座】:
- スタディング ITパスポート講座(スマホ・PCでスキマ学習に最適)
👉 スタディングなら、弁理士講座と併用して管理・受講可能で、忙しい社会人にもおすすめです。
実際に私が受けた体験についてもこちらで詳しくご紹介しております。
弁理士と相性の良い資格③:基本情報技術者試験(FE)
✅ 資格の概要
基本情報技術者試験(FE)は、情報処理技術者試験の一つで、ITエンジニアの登竜門とされる国家資格です。
IPA(情報処理推進機構)が実施しており、情報システムの基礎からアルゴリズム・プログラミング・IT戦略まで幅広く問われます。
弁理士にとっては、特にソフトウェア関連発明やIT系スタートアップの特許明細書を扱う際に、非常に役立つ資格です。
✅ 資格の親和性と活用シーン
- ソフトウェア発明やアルゴリズム関連発明を正しく理解・構築できる
- 明細書でプログラム構造やフローをより専門的に記述できる
- 技術者との打ち合わせにおいてもITエンジニアと対等に議論できる
- IT×特許のスペシャリストとして独自のポジションを確立可能
例:AI、画像処理、自然言語処理、ブロックチェーンなどの発明において、技術的内容の深い理解が不可欠。
✅ 就職・年収への影響
- IT系特許事務所やIT企業知財部では、「弁理士+基本情報技術者」は非常に高評価
- 特にソフトウェア分野での出願報酬単価のアップが見込める
- フリーランス弁理士として活動する際も、クライアントへの信頼性向上
- AI、IoT、SaaS分野での専門性をアピールできる武器に
✅ 難易度・受験資格
- 受験資格なし(誰でも受験可能)
- 合格率:約25〜30%(IT初心者にはやや難しめ)
- 内容はプログラミング(C言語、Java、Python など)や論理回路、情報セキュリティ、データベースなど
弁理士の理系バックグラウンドや論理的思考力があれば、十分攻略可能。
✅ 勉強時間・学習期間
- IT未経験者で150〜200時間が目安
- 数学的な考え方・論理的読解力があれば100時間前後でも合格可能
- 弁理士受験で「条文のロジック」や「理系特許の理解」ができていれば、相乗効果あり
✅ 試験日程・実施形式
- CBT方式で通年実施(随時予約制)
- 試験は午前(基礎知識)・午後(アルゴリズムや事例問題)の2部構成
- 全国のテストセンターで受験可能
✅ おすすめの学習法・通信講座
- 【独学】:
- 『キタミ式 基本情報技術者』シリーズ(技術評論社)で体系的に学習可能
- 【通信講座】:
- スタディング 基本情報技術者講座(動画+問題演習でスマホ学習)
👉 スタディングなら、弁理士講座と一括管理が可能で、学習の効率化が図れます。
\無料体験はこちらから/

また、基本情報技術者試験を受けた際の体験については、こちらの記事をご参照ください。
弁理士と相性の良い資格④:TOEIC/TOEFL(英語資格)
✅ 資格の概要
TOEIC(Test of English for International Communication)
→ 国際ビジネス英語能力を測る試験。リスニングとリーディング(LR)、スピーキングとライティング(SW)の2種類あり、特に**TOEIC LR(990点満点)**が日本国内で主流。
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)
→ アカデミック寄りの英語試験。留学・大学院進学などに使われる。論理的な英文の読解・記述・リスニング能力が問われる。
✅ 弁理士との親和性と実務上の利点
英語力は、国際的な特許実務において最重要スキルの一つです。以下のような場面で活躍します:
📌 特許翻訳・英文レター対応
- 外国出願時のオフィスアクション対応(米国、欧州、中国等)
- 海外代理人との英文メール・会議対応
- 明細書の翻訳チェック・補正案作成
📌 海外クライアントとのやり取り
- 外資系企業や海外スタートアップからの直接依頼
- 日本出願の窓口代理人としてのポジション確立
📌 就職・転職でのアピールポイント
- 外資系特許事務所やグローバル企業の知財部では必須スキル
- TOEIC800点以上で、「英語対応可能な弁理士」として求人が増加
- TOEIC900点以上で、年収700〜1,000万円クラスのポジションも視野に
✅ 難易度・スコアの目安と評価
◆ TOEIC LR(Listening & Reading)
スコア | 難易度 | 意味合い | 就職での評価 |
---|---|---|---|
~600点 | 初級 | 一般的な読み書きが可能 | あまりアピールにならない |
700点~ | 中級 | 簡単なビジネス英語は理解可 | 特許事務所で一定評価される |
800点~ | 上級 | 実務文書対応レベル | 外国出願・英文レター可能とみなされる |
900点~ | 最上級 | 国際実務を英語で主導可能 | 外資企業・海外案件に即対応 |
◆ TOEFL iBT(Internet-Based Test)
- 120点満点、海外大学進学やLL.Mコース出願に使用
- 100点以上で「ネイティブに近いアカデミック英語能力」
- 米国特許弁護士を目指す場合や、海外大学進学を検討する弁理士には推奨
✅ 勉強時間の目安(TOEIC)
目標スコア | 必要な勉強時間(概算) |
---|---|
600→700点 | 約150〜200時間 |
700→800点 | 約200〜250時間 |
800→900点 | 約300〜400時間 |
弁理士試験に合格している人は、論理的読解や集中力に優れているため、英語の習得効率も高い傾向があります。
✅ 試験日程・実施形式
TOEIC(Listening & Reading)
- 月1〜2回実施(全国の会場で開催)
- 試験時間:約2時間(リスニング45分+リーディング75分)
- オンライン申込/結果は約3週間後
TOEFL iBT
- 月複数回実施(自宅受験も選択可)
- 試験時間:約3時間半(Reading, Listening, Speaking, Writing)
- 結果は4〜10日で確認可
✅ おすすめの学習法・通信講座
- 【独学】:
- TOEIC公式問題集(ETS発行)
- 【通信講座】:
- スタディサプリ:スキマ時間で学べる社会人向け

👉 TOEIC・TOEFL対策講座を受講しておくと、英語力を活かしたキャリア展開(海外実務・外資系)を現実的に描けます。
弁理士資格と相性の良い資格のまとめ
ここまでご紹介したように、弁理士資格は他のスキルや資格と組み合わせることで真価を発揮する国家資格です。
- ITパスポート試験や基本情報技術者試験は、ソフトウェアやAI、DXといった現代の技術トレンドに対応する力を証明でき、技術系発明への対応力が向上します。
- 米国特許弁護士(USPTO登録代理人)は、国際業務を直接受任できるレベルの知財スキルを表し、年収やグローバルな転職市場で圧倒的な武器になります。
- TOEIC・TOEFLなどの英語資格は、外国出願・外資系とのやり取りにおいて、弁理士の価値を大きく引き上げるものです。
これらの資格やスキルは、単独で強みになるだけでなく、弁理士資格と掛け合わせることで、「知財×IT」「知財×英語」「知財×グローバル法務」など、専門性の高いキャリア領域で希少価値を生み出します。
忙しい社会人でも合格を目指せる!スタディング弁理士講座のススメ
もしあなたがまだ弁理士試験の勉強を始めていない、あるいは独学での勉強に不安があるなら、オンライン通信講座の活用がおすすめです。
中でも注目されているのが、スタディング弁理士講座です。
スタディングの特徴
- スマホ・タブレットでいつでも学べる「スキマ時間学習」に特化
- 圧倒的に低価格ながら、短答・論文・口述をすべてカバー
- 実務家講師によるわかりやすい講義と豊富な問題演習
- 短期合格者の多くがスタディングを活用!
私自身もスタディングを活用して、10万円以下のコストで弁理士試験に合格できました。時間とお金の両方に制約がある社会人にとって、コスパ最強の通信講座です。
👉 スタディング弁理士講座の詳細はこちら
私が受けていたStudyingの弁理士講座について知りたい方は下記をご参照ください。
【スタディング】受講者14万人突破!スマホで学べる人気のオンライン資格講座申込 (弁理士)
コメント