はじめに:弁理士の難易度を「偏差値」で表すとどうなる?
「弁理士って難しいって聞くけど、実際どれくらいのレベルなんだろう?」
「他の資格と比べて、どのくらいの位置づけなんだろう?」
そんな疑問を持つ方にとって、「偏差値」は一つのわかりやすい基準になります。
実際、弁理士試験は国家資格の中でも屈指の難関とされ、合格率は例年7〜9%と非常に低い水準で推移しています。とはいえ、大学受験のように明確な偏差値が公表されているわけではなく、イメージしにくいというのが正直なところかもしれません。
この記事では、令和3年度の弁理士試験に働きながら最短・最安で合格した筆者が、実体験や実務の視点も交えつつ「弁理士の偏差値」について深掘りしていきます。
第1章:そもそも「偏差値」とは何か?
弁理士試験の偏差値を考える前に、まず「偏差値」という言葉の意味を正しく理解しておく必要があります。
偏差値とは?
偏差値とは、ある集団の中で自分がどの位置にいるかを示す相対的な数値指標です。一般的には、平均点を「偏差値50」とし、そこからの距離によって「上位なのか下位なのか」を判断するために使われます。
大学受験や模試などでは広く使われており、たとえば偏差値60なら上位16%程度、偏差値70なら上位2.5%程度に位置しているという意味になります。
資格試験における偏差値とは?
一方で、国家資格の試験(弁理士試験も含む)には、正式な偏差値スコアが存在するわけではありません。大学受験のように、全体の得点を統計処理して偏差値を算出しているわけではないからです。
ではなぜ、弁理士に「偏差値○○」といった表現がされるのでしょうか?
それはあくまで難易度の目安として、便宜的に偏差値という指標が使われているためです。つまり、「どれだけ合格が難しいか」を、ほかの資格や試験と比較する際の目安として、「偏差値」という言葉が使われているのです。
第2章:弁理士試験の偏差値はどのくらい?
結論から言えば、弁理士試験の「偏差値」をあえて数値化するなら、65〜70程度と見なされることが多いです。これは、他の難関国家資格と比較したときに妥当とされる水準です。
ここではその根拠を、以下の3つの視点から丁寧に見ていきます。
1. 合格率から見る弁理士の難易度
弁理士試験の合格率は、近年は例年7〜9%程度で推移しています。以下は直近数年間の合格率の推移です:
年度 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年 | 約2,800人 | 約200人 | 約7.1% |
令和4年 | 約3,000人 | 約220人 | 約7.3% |
令和3年 | 約3,200人 | 約240人 | 約7.5% |
この合格率の低さは、「選ばれた人しか受からない」という印象を与える一因です。特に短答式試験の足切り、論文試験の記述力、口述試験のプレッシャーなど、総合的なハードルの高さが影響しています。
2. 受験者の属性から見る「偏差値の高さ」
弁理士試験の受験者には、以下のような特徴があります:
- 理系・工学系の学部出身者が多い
- 大学院修了者も多数
- 社会人経験者が多く、知財実務に携わっている人もいる
- 他士業(弁護士・技術士など)とのダブルライセンス志向の人も
つまり、受験者層自体の学力や専門性が高いのが特徴です。競争相手が高学歴・高スキル層に偏っていることも、難易度が高い要因となっています。
このような層の中で上位7%前後に入らなければ合格できないという点で、大学受験の偏差値に換算するなら65〜70程度という水準になると考えられるわけです。
弁理士試験について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
第3章:他の資格と偏差値を比較するとどうなる?
弁理士試験が難しいとはいっても、「他の資格と比べてどのくらいなのか?」という視点は気になるところです。ここでは、主要な国家資格の難易度(=偏差値の目安)を比較しながら、弁理士の位置づけを明らかにしていきます。
各資格の偏差値(目安)
資格名 | 合格率(目安) | 偏差値(目安) | 備考 |
---|---|---|---|
司法試験 | 約30%(予備試験合格者) | 72〜75 | 法曹の最高峰。学力・論理構成力ともに最上級 |
公認会計士 | 約10% | 70前後 | 数学的センス・計算力が要求される超難関 |
弁理士 | 約7〜9% | 65〜70 | 法律+理工系知識が求められる複合型試験 |
技術士(一次・二次) | 約10〜13% | 62〜67 | 実務経験が問われる技術系国家資格 |
中小企業診断士 | 約4〜7% | 60〜65 | 経営・会計・法務など総合的な知識を問う |
行政書士 | 約10〜15% | 55〜60 | 法律系資格の登竜門的存在 |
宅地建物取引士 | 約15〜17% | 50〜55 | 不動産分野の定番資格 |
日商簿記2級 | 約15〜30% | 45〜50 | 初学者にも比較的手が届く試験 |
※上記の偏差値は大学受験のように厳密に統計処理されたものではなく、「試験の難易度」や「受験者層のレベル感」から筆者が総合的に推定したものです。
弁理士の特異性:法律×理系のハイブリッド資格
弁理士資格の難しさは、単に試験の難易度だけではなく、「法律」と「技術」両方の知識が求められる点にもあります。
- 法律知識(特許法・実用新案法・意匠法・商標法など)を正確に理解し、
- 技術内容を的確に把握・分析し、
- 明細書の文書読解力や論述力も必要
という総合力が試されるため、難易度の割に受験者数は少なく、知る人ぞ知る難関資格という位置づけになっています。
企業知財部の仕事についてはこちらでご紹介しています。
第4章:偏差値だけで測れない弁理士試験の真の難しさ
「偏差値65〜70」と聞くと、なんとなく「勉強すればなんとかなる」ような印象を持たれるかもしれません。しかし、弁理士試験の本当の難しさは、偏差値や合格率だけでは語りきれません。ここでは、数値に表れにくい“試験の壁”について詳しく見ていきます。
1. 三段階試験制度による消耗戦
弁理士試験は、以下のように三段階の試験構成になっています。
- 短答式試験(マークシート/正確な知識が求められる)
- 論文式試験(記述式/理論の応用・文章構成力が必要)
- 口述試験(対面式/即答力・理解力が問われる)
この三段階を1年で一発突破するのは至難の業であり、合格まで2〜3年を要することが一般的です。
特に短答→論文のハードルは高く、初学者がいきなり論文を突破するのは至難。さらに、口述試験では、理解の浅さが一発で見抜かれます。
2. 専門用語と法文の複雑さ
特許法などの条文は、一文が長く、**専門用語が連続して登場するため読解に時間がかかります。**また、条文をそのまま覚えるだけでなく、趣旨・判例・審査基準との関係まで理解する必要があります。
初学者にとっては、「何が重要なのかが分からない」という状態に陥りやすく、効率的なナビゲーションがないと迷子になってしまうのです。
3. 法律+理系のダブルスキルを要求される
弁理士試験は、法学部出身者にとっては技術的記述に苦戦し、理系出身者にとっては法的な論理構成に苦戦しがちです。
たとえば論文式試験では、「発明の構成要件」「進歩性の判断」「均等論」など、理系の知識と法律の理論が複雑に絡み合います。
このような多面的なスキルが必要な点も、弁理士試験を特異な難関資格にしている要因です。
第5章:弁理士試験の偏差値に届くための勉強法と戦略
ここまでで、弁理士試験の偏差値が「65〜70」前後であり、決して簡単ではないことがわかってきたと思います。そして、その難しさは単なる暗記量ではなく、「総合力」によるものです。
この章では、筆者が働きながら偏差値相当の実力をつけて合格した勉強法と、最短ルートを実現するための戦略を紹介します。
1. 学習の優先順位を「短答→論文→口述」の順に最適化
弁理士試験に初めて挑戦する場合、最初からすべてに手を出すと挫折します。私自身の経験でも、「短答突破に集中する」ことが合格の第一ステップでした。
- 短答式で必要なのは「精密な知識と判断力」。
- 過去問を分析すると、よく出る条文やテーマが明確に偏っている。
- 逆に、マニアックな知識にこだわりすぎると時間が無駄になる。
私はこの分析に基づき、出題傾向の高い条文から徹底的に潰す方式でスピード学習を進めました。
2. 法文集を「読み物」として習慣化する
意外に思われるかもしれませんが、条文をそのまま読むのが一番力になります。
条文は難解に見えますが、慣れてくると“型”が見えてきます。私は法文集を毎朝10分、就寝前10分読む習慣をつけました。最初は意味不明でも、毎日触れることで自然と構造が頭に入るようになります。
この「日常的な条文接触」こそが、偏差値を上げる一番の土台だと思います。
3. 働きながら合格するための「スキマ時間」戦略
弁理士試験は長期戦。時間をどう使うかが最大のカギになります。私はフルタイムで働いていたため、平日は1日90分、土日は4時間程度が限界でした。
そこで重要なのが「スキマ時間」です。
- 通勤時間に音声講座や解説動画
- スマホで過去問アプリ
- 昼休みに1条文だけ読む
- 入浴中に趣旨をぼんやり復習
この積み重ねが、最終的に大きな差になります。スキマ学習の質を高めるためにも、「いつでも・どこでも学べる教材」が鍵になってきます。
4. 独学の限界と、教材選びの重要性
私は独学で始めましたが、論文試験の対策に差し掛かったとき、限界を感じました。特に、
- 「どの程度まで深掘りするのが正解か分からない」
- 「答案の方向性が合っているか不安」
- 「時間配分が全然うまくいかない」
こうした悩みが積み重なり、通信講座の利用を検討し始めました。
特に、オンライン型の通信講座は、働きながらでも続けやすく、短期合格を目指すには非常に有効です。
第6章:スタディング弁理士講座は“偏差値65超え”を現実にする最短ルートか?
弁理士試験において「偏差値65以上の実力」を求められるということは、単に参考書を読んでいるだけでは到達しにくい領域だといえます。では、どうすればこの壁を超えられるのか?
私がたどり着いた一つの答えが、「通信講座の戦略的活用」でした。なかでも、スタディング弁理士講座は圧倒的にコスパが良く、特に忙しい社会人にとって最適だと感じています。
1. スマホ学習に完全対応|“スキマ時間”が最大の武器になる
スタディング最大の特徴は、スマホ1台で完結する学習環境です。通勤時間・待ち時間・昼休み・寝る前など、毎日の中に「+15分」が積み上がれば、月に30時間以上の学習が可能です。
- 倍速再生で要点だけ復習
- 音声講座で通勤中に知識の定着
- スマホで過去問・論文添削も可能
これらが時間のない社会人でも偏差値を底上げできる理由だと、私自身実感しました。
2. 論文対策にも強い|出題傾向を徹底的に分析
論文式試験で「偏差値の壁」にぶつかる方は多いですが、スタディングでは過去10年以上の出題傾向をベースにした“答案作成の型”が確立されています。
- 事例ごとの“お作法”を学習
- 採点実績に基づく合格答案の徹底分析
- 添削オプションで「自分の弱点」が見える化
この“実践型”の論文対策が、机上の理論から“合格力”に変わるポイントです。
3. 価格が圧倒的にリーズナブル|10万円以下で合格を狙える
他社の講座が20万〜40万円かかるのに対し、スタディングは基本講座が10万円以下で受講可能(セール時は8万円台も)。実際、私も10万円以下で合格しています。
私のように「独学ベースでコストを抑えたい」「でも重要なところはプロに頼りたい」人には、まさに理想のバランスでした。
4. 実際に使った私の所感|学習が“続く”仕組みがある
スタディングを使って感じたのは、「学習が習慣化しやすい」という点です。
- 1講義10分〜15分で構成されているため、達成感が得やすい
- 学習履歴が自動で記録され、進捗が見える
- モチベーション維持機能(学習仲間の投稿など)も地味に効く
これらが、継続とアウトプットの質向上=偏差値アップに直結したと感じています。
もし「何から始めればいいかわからない」という方は、私が使っていたスタディング弁理士講座の無料講座をぜひ試してみてください👇合わせて体験談もご参照ください。
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