弁理士試験のストレート合格率は?ストレート合格に必要なこと5選【体験談ベースで解説】

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こんにちは!当ブログにご訪問いただきありがとうございます。サイト運営者のcoffeeと申します。この記事では、私が実際に働きながら弁理士試験にストレート合格した経験をもとに、

  • 弁理士試験のストレート合格率の実態
  • ストレート合格に必要な5つのポイント

について、詳しく解説していきます。

1. 弁理士試験のストレート合格率は?

結論から申し上げると、弁理士試験のストレート合格率は約1〜2%程度と考えられています。

弁理士試験は、

  • 短答式試験
  • 論文式試験(必須・選択)
  • 口述試験

の3段階に分かれており、これを1年以内にすべて合格するのが「ストレート合格」とされます。

1-1. 合格率データから見た実態

例えば、令和3年度(2021年度)の合格状況を見てみましょう。

  • 受験者総数:約3,500名
  • 最終合格者数:233名(合格率:約6.6%)

この中でも、初受験で合格している人はごくわずかです。特許庁が公式に発表している統計では「初めて論文を受けて合格した人」は30〜40名程度で、そこから口述を突破して最終合格に至るのはさらに少なくなります。

そのため、「ストレート合格=超少数精鋭」というのが現実です。

実際に私がストレート合格したスケジュールについては、こちらの記事をご参照ください。

2. 私がストレート合格できた理由と前提条件

私は2020年10月から勉強を開始し、2022年1月に合格通知を受けました。

受験開始から実質1年3ヶ月の中で、

  • 働きながら(開発職→知財部に異動)
  • 勉強時間:トータル約1,400時間
  • 費用:10万円以下

という制約の中、どうやってストレート合格できたのか。

それは「限られた時間と資源を、戦略的に使い切った」ことに尽きます。

では、ここからはストレート合格に必要な5つのことを、具体的に紹介していきます。

実際に私合格にかけた時間及びコストについてはこちらで詳しく解説しています。

3. ストレート合格に必要なこと5選

① 合格から逆算したスケジューリング

最終合格のゴールから逆算して学習計画を立てることは極めて重要です。

実例:私の年間スケジュール

  • 2020年10月:短答の基礎固め(特許法・実用新案法)
  • 2021年1〜3月:意匠法・商標法、短答過去問10年分回転
  • 2021年5月:短答試験
  • 2021年6〜7月:論文対策開始(必須科目に集中)
  • 2021年8月:選択科目(理系の物理)対策開始
  • 2021年10月:論文試験
  • 2021年11月:口述対策

このように、「いつまでに何を終えるか」を定めることで、迷いのない学習が可能になります。

② インプットよりアウトプット重視

特に短答式試験は過去問演習が命です。

  • 過去10年分を3周
  • 条文を直接引いて根拠を確認
  • 問題の「パターン」を覚える

短答は知識の整理とスピード勝負なので、基礎知識の定着よりも『使える知識』にする意識が重要です。

論文対策も同様で、

  • 「答案構成」→「手書きアウトプット」
  • 予備校の過去問添削を活用

など、自分で書くこと・話すことが学習の中心にあるべきです。

③ 自分に合った教材・講座の選定

私が利用したのは以下です:

  • スタディング(短答・論文対策):約7万円
  • 弁理士試験過去問題集(法文集含む)
  • 論文添削:一部市販教材(1万円程度)

高額な通学講座にこだわる必要はありません。

重要なのは、

  • スキマ時間に活用できるか?
  • 学習の記録が取れるか?
  • 添削やアウトプット支援があるか?

といった観点で教材を選ぶことです。

④ 周囲の環境を味方につける

私は2021年に開発部から知財部へ異動となりました。

  • 勉強内容が実務とリンクする
  • 同僚が弁理士資格者で質問しやすい
  • モチベーションが保ちやすい

など、仕事と勉強をシンクロさせたことで、効率が格段に上がりました。

また、家族の協力・理解も極めて重要です。

私の場合は、「21時〜24時は勉強時間」と決めて生活を組み、家族にもその旨を伝えて協力してもらっていました。

⑤ メンタル・体調管理を怠らない

ストレート合格を目指すなら、1年間を戦い抜く体力・精神力が必要です。

そのために私が意識したのは、

  • 筋トレによるストレス管理
  • 映画や英語学習で適度なリフレッシュ
  • 睡眠時間は6時間死守

という、「続けるための土台」作りです。

受験は長期戦。調子が悪い時に無理をしないことも、結果的には合格への近道です。

平日社会人をしながら、勉強するコツはこちらにまとめています。

4. ストレート合格を目指す人へのアドバイス

4-1. 最初から「ストレート合格」を目指すべきか?

正直に言えば、ストレート合格は狙ってできるものではないと思います。

しかし、「最初から1年で終わらせるつもりで動く」ことは、

  • 学習に本気で向き合える
  • 計画的な学習ができる
  • 無駄な勉強を減らせる

という点で非常に有効です。

4-2. 「働きながら」でも合格は可能か?

可能です。実際に私は開発職としてフルタイムで働きながら合格しました。

むしろ、仕事をしているからこそ

  • タイムマネジメント能力
  • 目標へのコミット力

が鍛えられ、結果的に合格へとつながったと感じています。

4-3. 学習仲間・SNSの活用もおすすめ

X(旧Twitter)などのSNSでは、弁理士試験に挑戦している多くの方が情報発信をしています。

  • モチベーション維持
  • 有益な勉強法の情報
  • 気軽な相談先

など、孤独になりがちな受験生活にとって強い味方になります。

5. 弁理士試験に落ちた人の声と比較して見える“合格の分かれ道”

弁理士試験は難関国家資格であり、多くの受験生が一度や二度の挑戦で合格に至らないのが現実です。実際、X(旧Twitter)や知恵袋、勉強コミュニティなどを見ても、「時間が足りなかった」「論文対策を後回しにしてしまった」「仕事との両立が難しかった」といった声が多く見られます。

こうした「落ちた人」の共通点としては、次のような傾向があります。

  • 短答に集中しすぎて、論文対策が手薄になった
  • 勉強計画に無理があり、途中で挫折してしまった
  • 自分に合わない教材・講座を選んでしまった
  • アウトプットの量が不足していた(読むだけの勉強になっていた)
  • 仕事や家庭との両立ができず、継続的な勉強が困難だった

これに対して私が実践した方法は、「全試験科目を最初から見据えた逆算スケジュールの構築」「アウトプット中心の学習」「勉強と実務のシナジーを生かした環境づくり」など、合格者に共通する戦略的なアプローチでした。

もちろん、「たまたま運が良かったのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、戦略と習慣の積み重ねがあってこそのストレート合格だったと自信を持って言えます。落ちた方の体験談を参考にすることは、自分の戦略の盲点に気づくためにも非常に有効です。

6. ストレート合格後のキャリアパス:知財部・特許事務所・副業の可能性

弁理士試験に合格した後、どのようなキャリアを歩むかは人それぞれですが、ストレート合格という実績は、以下のような選択肢を現実的なものにしてくれます。

① 企業知財部でのキャリアアップ

私自身が選んだ道でもありますが、メーカーやIT企業の知財部門で弁理士資格を活かすことで、「技術×法律」のプロフェッショナルとして専門性を発揮できます。特許出願・権利化業務だけでなく、ライセンス交渉や知財戦略にも携われる可能性があります。
特にストレート合格の実績は「論理的思考力・セルフマネジメント能力が高い人材」として高評価につながるため、社内でも信頼されやすいです。

② 特許事務所での専門職

特許事務所では、弁理士資格者として明細書作成や中間処理業務などを主軸に活躍できます。特に、理系バックグラウンドを持つ方は機械・電気・ソフトウェアなどの分野で高い需要があります。年収も実力主義で上がりやすく、将来的には独立やパートナー昇格の道も開けます。

③ 副業・独立の可能性

弁理士資格を活かして、副業的に明細書作成や先行技術調査を受託する人も増えています。最近では、オンラインで仕事を受注できるプラットフォーム(例:クラウドワークス、ココナラなど)でも、知財関連のスキルは需要があり、複業やフリーランスとして活動の幅を広げることも可能です。
資格があることで「専門家としての信頼」が担保されるため、他の副業と比べて単価が高く、柔軟な働き方も実現しやすいのが特長です。

このように、ストレート合格は単なる自己満足に留まらず、「早く合格したからこそ得られる選択肢の広さ」が最大のメリットです。キャリアの早い段階で資格を取得することで、その後の人生設計にも大きなアドバンテージが生まれます。

私の転職体験についてはこちらでご紹介しています。

7. よくある質問(FAQ)|ストレート合格を目指す方からの質問にお答えします

弁理士試験は受験生のバックグラウンドも学習スタイルも多様です。ここでは、実際によく聞かれる質問とその答えを、実体験と客観情報を交えて詳しく解説します。

Q. 文系出身でもストレート合格は本当に可能ですか?

A. はい、十分可能です。むしろ論文対策では文系出身者が有利なケースもあります。

弁理士試験というと「理系資格」というイメージがありますが、実際には法学部や文系学部出身者の合格者も多数存在します。特に論文式試験においては、文章の論理展開力や法律文書の読解力が求められるため、文系的な素養が活かせます。

ただし、短答試験の条文・判例知識や、口述試験の正確な法的知識の習得には、早期からの暗記+アウトプット型学習が重要です。理系と違い、技術的背景がない場合は、実務問題(特に特許法・実用新案法)で技術用語に対する慣れが必要となる点にも注意しましょう。

実際、私の周囲にも文系出身でストレート合格を果たした方が複数おり、共通しているのは「法的な思考力」と「スケジュール管理力」に長けていた点です。

Q. 勉強時間は最低どのくらい必要ですか?

A. 私自身は約1,400時間で合格しましたが、一般的には1,500〜2,000時間が目安です。

これはあくまで平均的な目安であり、下記のような条件で変動します。

  • 法律知識があるか(司法試験経験者・法学部出身者など)
  • 理系バックグラウンドがあるか(特に明細書の読解が得意か)
  • フルタイム勤務かどうか(社会人か専業受験生か)
  • 使用する教材や学習方法(独学か講座利用か)

私の場合は「通勤時間+朝夜の時間を活用」「スキマ時間を徹底活用」「論文対策を早期から意識して同時進行」したことで、1,400時間でも合格が現実のものとなりました。ただし、一般的には年間1,500時間以上(1日平均4時間程度)は確保できると安心です。

Q. 独学と予備校、どちらが効率的ですか?

A. 独学も可能ですが、ストレート合格を目指すならオンライン講座(例:スタディング)などの効率的な学習ツールの活用をおすすめします。

独学の最大のメリットは「費用を抑えられる」ことです。しかし、弁理士試験は範囲が非常に広く、複数の法律・判例・審査基準にまたがるため、初学者には体系的な理解が難しいという側面があります。

私自身は費用を10万円以下に抑えたいという目的もあり、スタディングというオンライン講座を活用しました。スタディングは以下のような点で非常に効率的でした。

  • スマホだけでインプット・アウトプットが完結
  • スキマ時間に1問1答や過去問演習が可能
  • 学習進捗の可視化機能があり、モチベーション維持につながる
  • 論文添削や動画講義が安価に利用可能

予備校(LECやTAC、代々木塾など)も合格者を多数輩出していますが、時間や金銭的なコストが大きくなりがちです。社会人で時間が限られている方や、自己管理が得意な方にはオンライン講座+自習というハイブリッド型が最もコスパが良いと感じています。

8. まとめ:ストレート合格は狙える!ただし戦略がすべて

ストレート合格に必要なこと5選(まとめ)

  1. 合格から逆算したスケジュール設計
  2. アウトプット重視の勉強法
  3. 自分に合った教材・講座の選定
  4. 環境づくりと家族の協力
  5. メンタル・体調管理の徹底

この5つをベースに、働きながらでも、家庭を持ちながらでも、戦略次第でストレート合格は狙えます。

弁理士試験は簡単ではありませんが、正しい方法で努力すれば、必ず突破口は見えてきます。

運営者プロフィール:coffeeについて

  • 2018年:理系大学院卒業後、メーカー開発職に就職
  • 2020年10月:弁理士試験勉強開始
  • 2021年:同メーカー知財部に異動
  • 2022年1月:弁理士試験合格(令和3年度)
  • 2022年5月:ブログ開設

趣味:筋トレ/映画鑑賞/Huluで英語学習/ラーメン

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