社会人として働きながら、国家資格である弁理士試験に挑戦するのは、想像以上に大変です。
「毎日忙しくて勉強時間が取れない」
「仕事や家事との両立が難しい」
「趣味や交友関係も大事にしたい…」
そんな悩みを持つ方のために、実際に10万円以下の費用と1年の勉強で弁理士試験に合格した筆者(現役企業内弁理士)のリアルな体験談を共有します。
特にこの記事では、
- どんな時間を削ったのか
- 何は削らずに続けたのか
を具体的にまとめました。
これから弁理士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
弁理士試験とは?その概要と難易度
弁理士試験は、特許・意匠・商標などの知的財産に関する専門家である「弁理士」になるための国家試験です。特許庁が所管し、毎年1回実施されています。法律や技術に関する深い知識が求められるため、「知的財産のプロフェッショナル」として企業の開発部門や法務部、特許事務所などで活躍することができます。
特に近年では、知財の重要性が増す中で社会人のキャリアアップ資格として注目されています。理系出身の方はもちろん、文系からでも十分に目指せる試験です。
弁理士試験の合格率と必要な学習時間
弁理士試験の合格率は例年6〜9%程度と非常に低く、国家試験の中でも難関とされます。試験は一次(短答式)、二次(論文式)、三次(口述式)の3段階に分かれており、それぞれに対策が必要です。
必要な学習時間は一般的に2,000〜3,000時間以上と言われており、これは毎日3時間以上を1〜2年継続するレベルです。ただし、学習の質や戦略によっては短期合格も可能であり、私自身も工夫次第で1年での合格が実現できました。
1500時間の勉強で合格した私のスケジュールについては、下記で紹介しています。
社会人の合格者も増加中!その割合と傾向
弁理士試験の受験者の中でも、社会人の割合は非常に高く、6〜7割を占める年もあります。企業内で知財関連業務に関わっている方がキャリアアップを目指して受験するケースが多く、企業内弁理士や転職の手段としても注目されています。
また、コロナ禍以降はリモートワークの普及により、仕事と勉強の両立がしやすくなった社会人も増加傾向にあります。私自身も週2〜4日が在宅勤務だったことで、勉強時間を確保しやすかったです。
【筆者の受験時のスペック】生活環境と働き方
まずは私の当時の状況を紹介します。参考になる部分があれば活用してください。
- 年齢:20代中盤
- 家族構成:独身、一人暮らし(神奈川県中部)
- 職業:大手メーカー勤務・社会人3年目
- 働き方:週2~4回の在宅勤務(コロナ禍)
- 趣味:筋トレ、英語学習、洋画(主にHulu)
- 性格:計画立てるのが好きだが、誘惑にも弱い
【社会人が弁理士試験で削るべき時間】犠牲にしたもの6選
1.飲み会・外食の付き合い
弁理士試験に本気で合格したいなら、飲み会は断つ覚悟が必要です。
- 時間がかかる(2時間以上)
- 翌日のパフォーマンスが落ちる
- 酔いが冷めるまで勉強に集中できない
私の場合、試験期間中は一度も飲み会に行きませんでした。
「受かった後に好きなだけ飲めばいい」と割り切っていたのがポイントです。

コロナ禍だったのもプラスに作用したのかも。
2.交友関係の整理(1年限定で)
友人との付き合いも、最小限に抑えました。
ただし、完全にゼロにするのではなく“勉強とセット”で行動することを意識しました。
- 模試の帰りに軽くご飯
- 同じ受験仲間と問題を解く
- 息抜きも1時間以内
たかが1年会わなくても、本当の友達なら理解してくれるはずです。
3.テレビやYouTube
テレビや動画コンテンツは勉強の天敵です。
誘惑に弱いタイプだったので、私はテレビを完全に封印。
「リモコンの電池を抜く」「テレビの電源コードを外す」などの対策を取りました。
結果、受験終了後にテレビをつけて初めて「フワちゃん」を知るほどの情報断ちができました(笑)
4.SNSの使用時間
SNSは完全に断つ必要はありませんが、ルール化して使うことが重要です。
- Twitter/Instagram/LINEは「移動中」か「昼休みのみ」
- 通知はOFFにし、まとめて返信
ついつい時間を奪われるSNSですが、「コントロールする意識」が合格への鍵です。

このほかにもご飯を食べるときは必ず講座をつけておくこと。洗濯や掃除の家事中も講座を聞きながら行うなど自分ルールを作っていたよ笑
5.自炊と食事のこだわり
ご飯作る時間すら惜しいと感じた私は、自炊を完全に断念しました。
- 健康面が不安な方は「週末作り置き+平日レンチン」方式が◎
- 松屋、コンビニ、近所のお弁当で済ませる
- 時間を節約し、その分問題演習へ
ご家族いる方は、弁理士試験中はお願いしても良いと思います。
6.仕事の時間とスタンス
仕事との両立は社会人受験生最大の課題です。
私が意識したのは、「定時退社の徹底」と「仕事の断捨離」でした。
- 優先順位の高い業務から処理
- 不要なMTGは極力回避
- 試験直前には有給取得(職場に宣言しておく)
残業を減らせたことが、平日の夜や週末の勉強時間の確保につながりました。
結果として残業時間を抑えることができ、月10時間以内の残業時間で過ごすことができました。

周りの人に弁理士試験について言っておいて、有給などの取得に理解をしてもらうのも手かもしれないね。
また平日勉強時間を確保するコツについても下記で紹介しています。
【弁理士試験中でも大切にしたこと】犠牲にしなかったもの4選
1.睡眠時間(最重要)
勉強時間を確保するために、睡眠を削るのは逆効果です。
- 基本:夜12時前に就寝 → 朝6:30起床(6.5時間睡眠)
- 昼寝:昼休み+夕食後に各20分ずつ
睡眠不足は集中力・記憶力に悪影響を与えるので、「削らない勇気」が必要です。
✅ 昼寝の質を上げる3つの裏技:
- 電気をつけたまま寝る
- カフェインを取ってから仮眠
- 机に伏せて寝る(深く寝ない)
2.筋トレ(週2回)
私の趣味は筋トレ。試験期間中でも、土日に1時間以内で継続していました。
- 午後の集中が切れたタイミングで筋トレ
- リフレッシュとメンタル安定に効果大
勉強→筋トレ→勉強、というサイクルはおすすめです。
例えば土日の午後勉強を始めて大体飽きてくるのが16時くらいなのでそこで一度筋トレをして、気持ちをリフレッシュさせてまた勉強を再開するということを行っていました。
3.英語と洋画(趣味)
私の趣味は洋画を英語字幕で見ること(Huluのフレンズやビッグバンセオリー)と、CNN English Expressでの英語の勉強が趣味なのですがこの趣味の時間は、たまに取るようにしていました。
- 問題集50問解いたら「フレンズ1話」
- CNN English Expressで気分転換しつつ英語学習
趣味も「勉強の一部」として取り入れることで、長期間のモチベ維持に成功しました。
4. 人間関係(最小限は維持)
完全に孤立せず、「同じ目標を持つ人」とのつながりを大切にしました。
- 模試帰りの雑談や振り返り
- SNSで他の受験生の投稿を見る
- 成果をシェアしてモチベーションUP
【まとめ】社会人が弁理士試験に合格するために必要なこと
犠牲にしたこと | 続けたこと |
---|---|
飲み会、交友関係 | 睡眠時間 |
テレビ、SNS | 筋トレ |
自炊、残業 | 趣味(英語・映画) |
社会人が弁理士試験に合格するためには、「時間の選択と集中」がすべてです。
「何を削り、何を守るか」を明確にし、1年間本気で取り組めば、独学・低コストでも合格は可能です。
私が受けていたStudyingの弁理士講座について知りたい方は下記をご参照ください。
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