【現役弁理士の体験談】弁理士試験の勉強が続かない?1年合格者が継続の秘訣と折れた瞬間を正直に語る

弁理士試験の勉強法

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10万円弁理士coffee|令和3年度弁理士試験に1年・総費用10万円以下で一発合格した現役の企業内弁理士。メーカー開発職→知財部→外資系IT企業。実体験と一次データに基づいて執筆しています。 → 詳しいプロフィール

「今日も勉強できなかった」「机に向かっても30分で集中が切れる」「そもそも、この試験いつまで続くんだろう」——弁理士試験の勉強が続かなくて検索したあなたに、最初に言いたいことがあります。続かないのは、あなたの意志が弱いからではありません。この試験が“継続の難しさ”を構造的に抱えているからです。

この記事では、令和3年度に働きながら1年・総費用10万円以下で一発合格した現役の企業内弁理士が、①なぜ続かないのが「普通」なのかをデータで示し、②私が実際に使った継続の7つの工夫、そして③1年の勉強の中で本当に折れそうになった瞬間と、その乗り越え方までを正直に書きます。精神論は出てきません。仕組みの話だけです。

まず知ってほしい:続かないのが「普通」だと分かる数字

特許庁の弁理士試験統計によると、令和7年度の最終合格率は6.4%、合格者の平均受験回数は2.9回です。つまり合格者ですら、平均して3年近く挑戦を続けています。短答→論文→口述と関門が続き、総勉強時間は私の実測で約1,500時間。「途中で嫌になる」のは例外ではなく、この試験の標準仕様です。

だからこそ、やる気や根性で乗り切ろうとすると必ず息切れします。必要なのは「やる気があってもなくても回る仕組み」。ここからは、私が1年間実際に回していた仕組みを7つに分けて紹介します。

なぜ、弁理士試験の勉強は継続が難しいのか?

弁理士試験の最大のハードルのひとつは、「長期間にわたる継続的な学習が求められる」という点にあります。合格までには平均して1,500〜3,000時間の学習が必要とされており、短期間で結果が出る試験ではありません。そのため、途中でモチベーションが下がってしまったり、学習習慣が途切れてしまう人も多く見受けられます。

特に、以下のような状況が継続の妨げになりがちです。

  • 仕事や家庭との両立が難しい:社会人受験生にとっては、平日の学習時間を確保するだけでも一苦労です。突発的な残業や家庭の事情で計画が崩れやすくなります。
  • 学習効果が見えにくい:勉強を始めたばかりの頃は、知識が定着している実感が得にくく、「こんなにやって意味があるのか?」と不安になることもあります。
  • 学習の孤独感:基本的に一人で進める勉強になるため、悩みを共有できる仲間がいないと孤独を感じ、心が折れやすくなります。
  • 中だるみの時期が来る:受験日が遠いと、「今はまだ大丈夫」という気の緩みが生まれ、徐々に学習ペースが鈍化してしまいます。

このように、弁理士試験は精神的・肉体的な持久戦であり、勉強を「継続する力」そのものが試される試験とも言えるでしょう。

だからこそ、意識的に工夫を取り入れて、学習を習慣化することが合格への大きな鍵となります。ここからは、私が実際に試行錯誤しながら見つけた「勉強を継続するための7つの工夫」をご紹介していきます。

弁理士試験合格に向けた全体の勉強スケジュールについてはこちらをご参照ください。

勉強を継続するための7つの工夫

1. 勉強場所をこまめに変える

長時間同じ場所で勉強していると、どうしても飽きてしまうものです。集中力が落ちたり、気分が沈んできたときは、思い切って場所を変えることをおすすめします。

  • カフェ
  • 図書館
  • 自習室
  • 電車の中
  • 散歩しながら音声講義を聞く

私は、特に電車内での学習が非常に集中できると感じていました。休日は「カフェ→昼食→図書館→夕食→カフェ→散歩→帰宅」と場所を意図的に切り替えることで、1日中飽きずに学習を続けられました。平日は「カフェ→出社→自習室→帰宅」というルーティンで対応していました。

2. 勉強の内容をローテーションする

集中力が続かない原因の一つは、同じ種類の勉強を長時間続けることにあります。以下のように、学習内容をいくつかのカテゴリに分けてローテーションすることが効果的です。

  • インプット:講義を聴く、テキストを読む
  • アウトプット①:問題集を解く、条文に書き込みをする
  • アウトプット②:趣旨問題の音読、ノートまとめ

例えば「30分ごとに内容を切り替える」など、時間で区切ってローテーションを行えば、飽きることなく集中が持続します。

3. 音楽や動画でモチベーションを高める

勉強を始める前にテンションを上げたいときは、モチベーションが上がる音楽や動画を活用しましょう

私のお気に入りは以下のようなものです。

  • BON JOVIの「It’s My Life」(なかやまきんに君の影響)
  • Mr.Childrenの「終わりなき旅」
  • YouTubeでフェデラーのプレー動画(スポーツファン向け)

ただし、音楽や動画は導入部分や休憩中のみにして、学習中は避けるようにしましょう。集中力が分散してしまうためです。

4. 短時間の仮眠で切り替えを図る

眠気や疲れを感じたときは、短時間の仮眠が非常に有効です。10分程度の仮眠を取るだけでも、集中力が回復し、気分のリセットになります。

私は1日に2〜3回、短時間の仮眠を取り入れていました。職場でも昼休みに仮眠を取るだけで、午後の効率が大きく変わります。

なお、仮眠の際には以下のような工夫をすると、寝過ごしを防げます。

  • 電気をつけたまま寝る
  • カフェインを摂取してから寝る(カフェインは摂取から20分後に効き始める)
  • 机の上でうつ伏せになる

5. ご褒美を設定する

勉強のモチベーションを維持するには、小さな「ご褒美」を設定するのが有効です。

  • 問題集を〇問解いたらアイスを食べる
  • 1時間勉強したら10分だけ好きな動画を見る
  • 午前中頑張ったら午後はジムへ行く

このように、自分の行動に対して報酬を設定することで、「もう少し頑張ろう」という気持ちを引き出すことができます。

6. 勉強の目的を柔軟に切り替える

「今日も〇時間勉強しなければならない…」という義務感に縛られると、気が重くなります。そんなときは、勉強の目的を少し柔軟に考えてみましょう。

たとえば、

  • 「アイスを食べに自習室へ行く」
  • 「カフェの美味しい朝食を食べに早起きする」
  • 「ジムに行くついでに勉強道具を持っていく」

このように“ついで”に勉強するような発想に切り替えると、心理的ハードルが下がります。目的を勉強そのものから「場所」や「行動」にすり替えることで、自然と学習を習慣化できます。

7. 勉強自体を楽しむ

究極的には、「勉強すること自体を楽しめるかどうか」が継続の鍵です。

たとえば、

  • カフェで条文を読みながら勉強する姿を「かっこいい」と捉える
  • 法律の定義文を暗唱できることに優越感を覚える
  • 家族や友人に学んだ内容を説明して、知識をアウトプットする

私は、家族に「意匠法には秘密意匠制度があって…」などと解説することで、自然とモチベーションが高まりました。

自分が学んでいることが将来のキャリアに直結し、評価される内容であるという実感を持てれば、勉強の時間が前向きなものになります。

現役弁理士が明かす:1年の勉強で「折れそうになった瞬間」とその乗り越え方

7つの工夫をお伝えしてきましたが、ここからは理論ではなく、筆者自身が1年間の勉強中に実際に経験した「きつかった瞬間」と、それをどう乗り越えたかをお伝えします。

短答と論文の間で「気持ちが切れた」

1年間で最もしんどかったのは、短答試験が終わってから論文試験の勉強を再開しなければならないタイミングでした。短答通過の安堵感から一転、「また何か月も続けないといけない」という現実に向き合う瞬間です。

正直に言うと、このタイミングでなぜか涙が止まらなくなったことがありました。燃え尽き感というより、純粋な疲弊感に近いものでした。それでも勉強は続けました。感情が壊れても、手は動かせる。そう自分に言い聞かせていました。

「自分に期待しすぎない」ことが継続の核心

1年間継続できた最大の理由を一つ挙げるとすれば、「自分に期待しすぎなかった」ことです。「今日は絶対3時間やる」と決めたのに1時間しかできなかった日も、それを責めない。「できなかった事実」より「明日また机に向かうこと」を優先する。

高すぎるハードルは自己嫌悪を生み、自己嫌悪は勉強の継続を止めます。「完璧にやらなくていい、やめなければいい」という低めの基準を心に設定しておくことが、長期戦での最大の武器でした。

犠牲にしたこと・守ったこと

項目判断理由・コメント
睡眠✅ 守ったかなりしっかり寝ていた。睡眠不足は記憶の定着を妨げるため、削るのは逆効果
飲み会・付き合い❌ 犠牲にした試験期間中はほぼ参加しなかった。理解してくれる人との関係を優先した
趣味・娯楽❌ ほぼ犠牲にした勉強以外のことはほとんどしなかった。意外にも、何もしない方が気持ちが楽だった
食事・体調管理✅ 守った体調を崩すと勉強が止まる。健康維持は最優先事項

「勉強以外は何もしない」と聞くと苦しそうに思えますが、実際はその方が選択肢がなくなってシンプルだったです。「今日は勉強する?休む?」という迷いがなくなり、「今日も机に向かう」が唯一の答えになると、精神的な揺れが消えました。選択の余地をなくすことが、ある意味で楽な状態を生んでいました。

合格者の本音:「やめなければ負けない」
弁理士試験の合格者に共通することを一つ挙げるなら「途中で諦めなかった」こと。方法論よりも継続そのものが最大の差別化要因です。感情が乱れても手を動かすこと、完璧を求めずに続けること——この2点が、1年という短期間での合格を支えた核心でした。

まとめ

弁理士試験の勉強を長期間継続するには、以下のような実践的工夫が有効です。

  1. 勉強場所をこまめに変える
  2. 勉強内容をローテーションする
  3. 音楽や動画で導入のモチベーションを高める
  4. 短時間の仮眠で切り替える
  5. ご褒美を設定する
  6. 勉強の目的を柔軟にすり替える
  7. 勉強そのものを楽しむ

モチベーションは一時的でも、工夫次第で「継続する力」は誰でも身につけられます。自分なりの方法を見つけ、日々の学習を前向きに続けていきましょう。

弁理士試験は簡単ではありませんが、確実に努力が報われる試験でもあります。ぜひ、あなたの学習にもこの7つの工夫を取り入れてみてください。

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