弁理士試験の口述試験攻略法!一発合格の弁理士が徹底解説します。

弁理士試験(論文、口述試験対策)

この記事は、令和3年度に1年10万円以下で弁理士試験に合格した現役企業内弁理士が実体験を元に書いています。

弁理士試験の中でも最難関と言われた論文試験を突破した後の口述試験、難易度は近年では下がっていて90%以上が合格するといわれていますが、実際はどうなんでしょうか?

一発合格の弁理士が徹底解説いたします。

口述試験の概要

近年の合格率
受験者数合格者数合格率
令和元年29528495.6%
令和228227898.6%
令和321519490.2%
近年の口述試験合格率

近年の口述試験の合格率は上記のようになっております。

ここから言えることは、ほぼ合格させるための試験であり、大きく間違えなければ合格できること。

また、毎年確実に不合格者がいるということ、が分かります。論文試験を合格した人達の中からの不合格者ですから決して油断はしてはいけません。

僕は論文試験の合格発表から一日3時間くらい勉強したかな。

みんな気が緩みがちなので、気を引き締めよう。

時期、場所について

場所は、東京のみで実施されております。そのため地方の人は宿泊施設を取って前日から止まって準備します。

今年度の日程で言うと、下記のようになります。

  • 論文式筆記試験 : 6月下旬~7月上旬
  • 合格発表(論文式):9月中旬頃
  • 口述試験:10月中旬~下旬

論文試験の合格発表からの期間が短いので、合格発表前からある程度勉強しておくことをおすすめします。

試験科目、試験方法

試験科目は以下の三つです。

  • 特許・実用新案に関する法令
  • 意匠に関する法令
  • 商標に関する法令

各科目とも10分ずつで、受験者が各科目の試験室を順次移動する面接方式で行われます。

また、法文集が貸与され、試験の際、試験室内にあらかじめ用意されている弁理士試験用法文を試験委員の許可を受けて参照することができます

簡単に試験室の部屋を図示すると下記のようになります。

試験官は一人が進行役、もう一人が評価をつける人というように分担になっているよ。

合格点

採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、合格基準はC評価が2つ以上ないこと。

  • A:答えが良くできている場合
  • B:答えが普通にできている場合
  • C:答えが不十分である場合

と特許庁HPに書いてあります。まず、問題の数が全体で決まっており、10分という制限時間内に全ての問題に解答しきれば、まずCという評価はつきません。

なので、まずは全問題に10分以内に解答仕切ることを目標にしましょう。最近では、制限時間内に解答しきれなくてもB以上がつくこともあるようです。

大体8分くらい経過すると1度目のベルが鳴ります。そして10分経過すると2度目のベルが鳴ります。

ちなみに8分以内に答えきると特許庁のアンケートが始まって、弁理士試験を受けたきっかけとか聞かれるよ。僕は特許法だけ聞かれたなあ。

口述試験のポイント

法文集を積極的に参照しよう

最近の口述試験では、記憶力のテストというよりは法文集を使うことを前提に問題を作っています。

つまり、他の受験生が法文集を使っている中、自分だけ頑張って思い出すことに時間を使うと損してしまうのです。

ただ、法文集を使う際は『法文集を使ってよいでしょうか』と許可を取って『いいですよ』と言われてから開きましょう。

問題を答えている途中は開きっぱなしで良いですが、問題を答え終えたら閉じないといけません。

この辺は間違えると注意されてしまうので気をつけましょう。

ひと昔前の弁理士試験では、法文集を閉じてから解答しなければならない。法文集を読んではいけないなど厳しい制約があったようだけど、今はそこまで気にする必要はないよ。

試験官とのコミュニケーションが大事!

口述試験では、試験官とのコミュニケーションが大事です。試験官も80%以上にC判定以上をつけたい(逆に自分の回だけ低評価ばかりつけると怒られる)という事情があり、なんとか受からせようとしてくれます。

なんとかヒントを与えてくれようとするので、分からなくても答え続けるべきです。そうすると『○○はこういう規定ですよね。では、○○はどうでしょうか』と『法文集を調べても良いですよ』とか助け舟を出してくれます。

試験官の誘導に乗ろう。

例えば『○○の際に○○は認められますか』と聞かれたときに『はい、認められます』と答えるのが正解です。

この時に余計なことまで、答えてしまうことがよくあります。例えばその条文の趣旨などを答えてしまう場合です。その際に試験官は再度趣旨について聞き直さなくてはならず、既に解答しているはずの事柄について再度質問されます。

その際にパニックになって『あれ、さっきの解答違ったのかな』とか『もう一つの趣旨を聞かれてるのかな』となって黙り込んで2分くらいロスして時間切れなんてパターンがもっとも怖いです。

とにかく聞かれたことだけに答えるようにして、試験官の誘導に乗りましょう。

試験官も質問のスクリプトに沿って聞いているということを意識して、なんとなく意図を察してあげよう。とにかくパニックになっても適当に答えれば何かヒントをくれます。

質問はNG、解答のみが認められる。

逆に質問はダメです。試験官も答えることができないのです。

『これはこういうことですか?』とか『法文集のどこのページに記載してありますか?』などはダメです。淡々と答え続ければヒントをくれます。

口述試験の対策

模擬試験

口述試験を行っている予備校

・TAC

・LEC

大体2万円弱で受けられます。実際に予備校の一室を試験室に模して行うので、より本番に近いのが魅力です。問題集も試験後に配布されるので心配な方は受けてみても良いと思います。

口述試験を行ってくれる会派(弁理士が所属している団体)

無料もしくは、かなり低コストで受けられるのが特徴です。会派としてのメリットは受験生への会派への宣伝ですね。特に入らないといけないことはないので、気にせず受けちゃいましょう。

ちなみに人気なのですぐ埋まってしまうので、論文試験合格発表したらすぐ申し込みましょう。

僕もオンラインで会派の模試を2回くらい受けたよ。

答えられなくて詰まるところが結構あったので、本番に向けた良い復習になったなあ。

実際の問題と勉強方法

具体的な勉強方法については、以下にまとめる予定です。

弁理士の口述試験まとめ

  • 口述試験の合格者数は90%以上
  • 合格は主要3科目でC判定が2つ以上つかないこと
  • 法文集の活用、試験官とのコミュニケーションが大事
  • 無料の模擬試験もあるので活用しよう

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