この記事は、令和3年度に1年10万円以下で弁理士試験に合格した現役企業内弁理士が実体験を元に書いています。
弁理士試験の短答模試、結構お金がかかりますよね。
「本当に受けるべき?」「受けるならTAC?LEC?」と迷っている方に向けて、実体験をベースに、どちらを選ぶべきか徹底解説します!
そもそも弁理士試験の短答式筆記試験とは?
まずは基本から押さえておきましょう。(情報出典:特許庁ホームページ)
試験科目及び出題数
- 特許・実用新案法:20題
- 意匠法:10題
- 商標法:10題
- 工業所有権に関する条約:10題
- 著作権法・不正競争防止法:10題
➡️合計60題
出題形式
五枝択一:マークシート方式
試験時間
3.5時間
合格基準
総得点の65%以上かつ各科目ごとの得点が40%以上 (いずれも満たす必要あり)
つまり、総合力+科目ごとの底上げが必要な試験です。
短答試験の勉強方法については、こちらで解説しています。
短答模試を受けるベストタイミングとは?
弁理士試験の短答式模試は、ただ受けるだけではもったいない試験対策ツールです。模試を最大限に活かすためには、「受ける時期」が極めて重要になります。
では、短答模試を受けるベストなタイミングはいつなのか?
結論から言うと、本番試験のおよそ3〜4週間前が最も効果的です。
なぜ3〜4週間前が理想なのか?
短答模試の本来の目的は、自分の弱点を把握し、それを本番までに修正することにあります。試験直前に模試を受けてしまうと、復習する時間が足りなくなり、せっかく見つかった弱点を潰しきれないリスクが高くなります。
また、逆に模試を受ける時期が早すぎても、学習が十分に進んでおらず、実力を正しく測れません。まだ記憶があいまいな段階で模試を受けても、単なる「知識の確認作業」に終わり、試験本番を想定した実戦トレーニングにはなりにくいのです。
つまり、学習がある程度進んで「自分なりの知識の地図」ができてきたタイミングで模試を受け、その結果を本番までに調整できる余裕を持つためには、本番3〜4週間前がベストというわけです。
模試スケジュール例
例えば、令和6年度弁理士試験短答式筆記試験が5月26日(日)に実施される場合、
4月末〜5月第1週あたり(4月25日〜5月5日くらい)に模試を受けるスケジュールが理想的です。
このタイミングで模試を受ければ、GW(ゴールデンウィーク)期間中に徹底的な復習が可能となり、本番直前までにミスパターンを確実に修正できます。
全体のスケジュール感についてはこちらの記事をご参照ください。
弁理士試験 短答模試を実施している予備校は「TAC」と「LEC」だけ!
現時点(2025年時点)で、弁理士短答模試を実施している予備校はTACとLECのみです。
それぞれの特徴を比較していきましょう!
LECの短答模擬試験
- 本試験と似た難易度設計
- 全国38か所以上で実施(会場受験+自宅受験も可)
- 成績表は「スコアオンライン」で確認
- 的中実績が高い(公式サイトでも本試験の類似問題をアピール)
\こんな人におすすめ/
➡️ 「本番に近い感覚で練習したい」人
TACの短答模擬試験の特徴
- 本試験より難易度高め(特に選択肢数を問う問題が多い)
- 自宅受験・会場受験あり
- 成績表+弱点分析あり
- 解説講義も配信(Web講義でフォロー)
\こんな人におすすめ/
➡️ 「本番より厳しい環境で鍛えたい」人

家でも受けられるみたいだけど、会場受験とどっちがいいんだろうか?
LECとTACほとんど一緒に見えるなあ
料金比較(2025年最新情報)
予備校 | 料金(税込) | 備考 |
---|---|---|
LEC | 約15,700円 | 大規模実施、解説講義あり |
TAC | 約13,500円 | 少し安い、難易度高め |
※最新価格は必ず公式サイトでご確認ください。
【体験談】私はTACの短答模試を受けました!
私はTACの短答模試を選びました。
理由は…
- LECより約2,000円安かったから
- 申し込みがギリギリだったためTACしか間に合わなかった
受験方法は「会場受験」。
これ、絶対会場受験がおすすめです!
家で受ける形式と予備校行って受ける方式の二つがあるのですが、断然後者押しです。(ちなみに前者の方が少し安いです。)ちなみにLECじゃなくてTACを選んだのは2000円くらい安かったのと申し込みが遅すぎてTACしか会場での模擬試験をやってなかったからです。

ちゃんと模試をいつ受けるかは、きちんと計画し解くべきだったなあ。
でも受けてよかったと思う笑
【実感】TAC模試はめちゃくちゃ難しかった
TAC模試は本番よりかなり難しいです。
特に、
- 「正解肢の数を答える問題」
- 「正解肢を一つだけ選ぶ問題」
このうち前者が多く出題され、シンプルに難度が上がります。
ちなみに私、
本番3週間前にTAC模試で29点(合格点届かず)でしたが、
その後立て直して本番に合格しています!
模試が難しい理由
TACやLECでは「本試験より簡単だと文句が出る」ため、
模試はあえて難しく作られる傾向があるそうです。(各予備校講師談)
短答模試は「絶対受けるべき」理由
ここ、重要ポイントです!
模試を受けるメリット
- 本番形式・時間配分に慣れる
- 3時間半集中する体力を確認できる
- 集中力の切れ目、トイレ事情、眠気問題などを事前に体験できる
- 自分の癖(ケアレスミス、時間配分ミス)を把握できる
正直、家で過去問やってもこれらは全くわかりません。
試験本番に慣れるためには模試は必須です!
もう少し詳しく説明すると、短答試験は3時間半でぶっ続けで試験があるので、例えば、①時間が足りない、②集中力が途切れる、③途中でトイレに行きたくなる、④眠くなるなど様々なケースを想定しないといけません。
それは、家で過去問を解いても得られる環境ではないので、模試を受けて周りに人がいる中で経験する必要があります。
なのでお金を払って模試を受ける価値はあると思います。というか合格したいなら必ず受けましょう。
前年度短答試験を受けていて、2回目の挑戦で大体本番がイメージできますって人は受けなくても大丈夫だと思います。
【実体験】模試を受けた後の私の対策
模試を受けた後、私は以下を徹底しました。
- 各科目ごとに時間を設定して過去問演習
(例:特許法は70分以内で解く) - 問題を解くとき、「ケアレスミス防止」を最重要意識
- 体力が持たないので、科目別演習+休憩訓練を意識
短答試験はマジで「戦略」と「体力」の試験です。
ぶっつけ本番で挑むのは、さすがにリスクが高すぎます!

多分ぶっつけ本番だと確実に落ちていたと思う(笑)
【注意】模試の点数は気にしすぎない!
模試の点数に一喜一憂するのは絶対NGです。
私自身も、
- 過去問で合格点取ったことなし
- 模試でも合格点届かず
- でも本番合格
でした。
模試の結果は「データ」と割り切って、
あくまで「本番に向けた課題探し」と捉えましょう!
仮に、模試で合格点とれたところで、結局本番取れるかどうかは全然保障なんてないので、どんな結果であろうと前向きに試験当日までにやれることを全力でやるしかないと個人的には思ってます。きちんと前向きに受け止めて復習しましょう。
バットは振らなきゃヒットにならないし、宝くじは引かなきゃ当たらんのです。
勝負ごとは勝つか負けるか分からないのが醍醐味なので、楽しんでいきましょう。そういうのを楽しめる人が勝つんです。
それでは次回は論文試験模試について書きたいと思います。最後に簡単におさらいを。
【まとめ】弁理士試験の短答模試はこう選べ!
◆短答模試まとめ
- 本番を想定するために模試は絶対受けるべき
- 会場受験をおすすめ(緊張感・集中力が段違い)
- 料金重視ならTAC、難易度本番近めならLEC
- 点数は気にせず、課題を見つけるために受ける
◆最後に
弁理士試験は、勝負の世界です。
楽しんで試験に臨んだ者が、最後に勝つ!
一緒にがんばりましょう!
他にも弁理士試験の勉強方法、知財部の仕事内容に解説していますので、ぜひご覧ください。
私が受けていたStudyingの弁理士講座について知りたい方は下記をご参照ください。
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