この記事は、令和3年度に約10万円・1年以内の学習で弁理士試験に合格した現役企業内弁理士が、実体験をもとに執筆しています。
論文試験が近づいてきましたね。弁理士試験の中でも最難関と言われるのが論文試験です。年に一度しかない大一番だからこそ、無駄なく・効果的に過ごす必要があります。
今回は、私自身が実践した「論文試験直前にやるべきこと」を具体的な行動レベルでご紹介します。
✅ 論文試験直前にやるべきこと5選【要点まとめ】
- 今まで解いた問題の再復習を最優先に!
- 新作問題にも触れて「対応力」を養う
- 模試や模擬演習で“時間配分”に慣れる
- 本番と同じ法文集を使っておく
- 試験当日の行動・持ち物・体調管理を完璧にしておく
論文試験の勉強方法はこちらでご紹介しています。
① 今まで解いた問題の“繰り返し”が最強
直前期に新しい問題集に手を出すのはおすすめしません。むしろ今まで解いた問題を2回、3回、4回と繰り返して解くことが合格への近道です。
- よく出る論点・設問パターンを身体で覚える
- 書くスピードが上がり、時間にも余裕ができる
- 自信がつき、本番でも落ち着ける
特に趣旨問題や判例問題など、「問われ方の癖」がある問題は反復演習が効果的です。
② 新しい問題にも「少しだけ」触れておこう
「さっきと矛盾してるじゃん」と思ったかもしれません(笑)
ですが本番では、見たことのない問題が必ず出ます。そんな時に必要なのが初見対応力です。
- 2日に1問くらい、新作問題(過去問・予備校問題など)に触れる
- 書けなくてもOK!設問の構造を読む練習になる
- 時間配分や論述構成の訓練にもなる
私自身、商標法の設問1が意味不明で焦りましたが、「とにかく書く」という訓練のおかげで合格点に到達できました。

僕も友達とカフェで、一回テスト形式で試験をしてお互いに解答を見て採点したよ。
人の解答を見比べると、見えてくるのも多いので、おススメだね。
③ 模試や模擬演習で“時間配分力”を鍛えよう
模試を1回も受けていない方、今からでも遅くありません!
- 友達とカフェで時間を測って模擬演習してみよう
- 相互採点で「他人の答案」を見るのも勉強になる
- 本番さながらの緊張感を体験しておく
私は友人とカフェで模試をやりました。互いの解答を読み比べると、「自分にはない視点」が学べて、視野が広がりました。
論文模試についてはこちらで詳しく説明しています。
④ 本番の貸与法文集に“慣れておく”ことが意外と重要
本番では、主催者から貸与法文集(厚めで使いづらい)が配布されます。普段使っている法文集と構成や紙質が違うので要注意。
おすすめの対応:
- 【PATECH企画出版部】知的財産権法文集(第31版)を普段から使う←本番の条文順と同じ、コンパクトで見やすい
- メルカリやAmazonで前年度の貸与法文集を入手して練習
また、本番当日は試験前に「誤字チェックタイム」があります。その時間を使って施行規則の場所や条文構成をチェックしておきましょう。
短答の時から同じ弁理士試験 四法横断法文集(早稲田経営出版、TAC弁理士講座 編著)を使っている方がいれば要注意です。

本番では、貸与法文集が配られた際に、誤字などをチェックする時間があるのですが、その時間で施行規則の位置などを把握してたよ。
⑤ 試験当日の「持ち物・流れ・食事」も想定しておこう
▶ 試験当日のスケジュール(令和3年度の場合)
- 午前:特許・実用新案(2時間)
- 午後:意匠・商標(各1時間30分)
▶ 宿泊・移動の計画を立てよう
- 遠方会場なら会場近くに前泊がベスト
- 徒歩で会場に行ける場所を選ぶと安心
- モーニングコールは家族など信頼できる人に頼むと◎
▶ 食事・飲み物の準備も戦略的に
- 試験会場近くのコンビニは混雑します
- 食事・飲料は前日までに準備するのが安全
- カフェイン・乳製品の取りすぎには注意(お腹を壊す原因に)
私は昼ごはんを軽めにして、午後の眠気を回避していました。
▶ 持ち込み可能なアイテム(要監督員確認)
- ティッシュ、ハンカチ
- 耳栓
- 目薬
- マーカー、定規、指サック
- 置き時計、ストップウォッチ
- ひざ掛け、座布団
試験中にこれらを使うには事前確認が必要です。 事前確認を忘れると使用不可になります。
▶ 試験直前に見るべき資料
- 趣旨まとめ(私はPCでWordにまとめて持参)
- 自作要点ノート、予備校テキストでもOK
- 条文の見出しをさっと見返すのも効果的
▶ 試験1週間前からやるべき準備
- 毎日、本番の試験時間に合わせて勉強して生活リズムを整える
- 起床時間・食事のタイミングも合わせておこう
- 睡眠不足・ストレス回避が最優先!
よくある質問(FAQ)|論文試験直前期の不安を解消!
Q1. 試験直前にモチベーションが下がってしまいました。どうしたら良いですか?
A.
それはごく自然なことです。論文試験直前期は疲労のピークで、誰しも不安になります。そんなときは、過去に解けた問題を見返して「自分はここまでできるようになった」と自信を取り戻すことが効果的です。また、「1週間だけ頑張れば夏が来る」と短期目標として区切ることで、精神的な負担を軽減できます。小さな達成感を意識しましょう。
Q2. 直前期の勉強時間はどれくらい確保すべきですか?
A.
理想は1日6〜8時間ですが、社会人など時間に制約のある方は、最低でも「毎日2〜3時間、試験時間帯に集中する」ようにしてください。ポイントは「勉強量」よりも「勉強の質」と「試験時間帯に脳を慣らすこと」です。本番と同じ時間帯に、集中して過去問や演習を行いましょう。
Q3. 試験前日に徹夜はアリですか?
A.
絶対にNGです。試験本番は長丁場で集中力と持久力が求められます。前日の睡眠不足は、パフォーマンスを大きく下げてしまいます。前日は遅くても23時には寝て、しっかりと脳を休めましょう。どうしても不安な場合は、午後の軽い復習にとどめ、頭を使わずに済むような整理作業を行うのがオススメです。
Q4. 論文試験でトラブル(頭が真っ白になる、体調不良など)に見舞われたら?
A.
試験本番は誰しも想定外の出来事が起こり得ます。頭が真っ白になったら、まず深呼吸して、設問文を一文ずつ丁寧に読み返すこと。書けそうな論点からメモに書き出して構成していくと、少しずつ感覚が戻ります。体調不良の場合、**決して無理せずトイレや休憩に行きましょう。**試験中でも、監督員に申し出ることは可能です。
Q5. SNSやネット掲示板(Xや5ch)は直前期に見ない方がいいですか?
A.
正直、見ない方が精神衛生上は良いです。他人の進捗や不安な声を目にすると、自分の状況と比較して動揺してしまいがちです。どうしても情報収集したい場合は、信頼できる情報源(特許庁、資格学校、合格者ブログなど)だけを見るようにしましょう。SNS断ちをするのも、直前期のメンタル管理の一環です。
✅ 最後に:論文試験直前に確認すべきことリスト
項目 | 内容 |
---|---|
解いた問題の復習 | パターンとスピードを身体に覚え込ませる |
新しい問題の演習 | 初見対応力・時間感覚を養う |
模試 or 模擬テスト | 本番形式に慣れる、他人の答案から学ぶ |
法文集の準備 | 本番に近い法文集で“条文ナビ力”を鍛える |
当日の準備・持ち物の確認 | 会場・時間・食事・体調のすべてを設計しておく |
🎯 この記事を読んだあなたへ
弁理士試験は、戦略と準備がモノを言う試験です。
このブログが、皆さんの論文試験合格への最後の一押しになれば幸いです。
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