この記事は、令和3年度の弁理士試験に1年・10万円以下で合格した現役企業内弁理士が、実体験をもとに執筆しています。
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はじめに|条文暗記の壁をどう乗り越えるか?
弁理士試験、とりわけ短答式試験の最大の壁といえば、なんといっても「条文の暗記」ですよね。特に意匠法は条文数こそ少ないものの、抽象的な文言が多く、つまずきやすいポイントです。
私自身、最初はなかなか覚えられず苦戦しました。しかし、語呂合わせ(ゴロ合わせ)を活用することで、暗記が劇的に楽になりました。
この記事では、弁理士試験の短答対策として超有効な「意匠法」の語呂合わせを、実際に使っていたものから厳選してご紹介します。
意匠法の頻出条文と語呂合わせまとめ
◆第2条1項|意匠の定義
「この法律で『意匠』とは、物品の形状、模様もしくは色彩もしくはこれらの結合、建築物の形状等又は画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。」
語呂:「仏像建築、洋式の形状、けつしびれる」
- 仏像 → 物品・画像
- 建築 → 建築物
- 洋式 → 模様・色彩
- 形状・けつ → 結合・形状
- し・び → 視覚・美感
🧠 イメージ:「仏像が様式に座ったら、お尻がしびれた」という場面を想像!
◆第3条2項|創作非容易性の判断要素
ありふれた手法の例として以下が挙げられている。
(a)置き換え
意匠の構成要素の一部を他の意匠等に置き換えることをいう。
(b)寄せ集め
複数の既存の意匠等を組み合わせて、一の意匠を構成することをいう。
(c)一部の構成の単なる削除
意匠の創作の一単位として認められる部分を、単純に削除することをいう。
(d)配置の変更
意匠の構成要素の配置を、単に変更することをいう。
(e)構成比率の変更
意匠の特徴を保ったまま、大きさを拡大・縮小したり、縦横比などの比率を変更することをいう。
(f)連続する単位の数の増減
繰り返し表される意匠の創作の一単位を、増減させることをいう。
(g)物品等の枠を超えた構成の利用・転用
既存の様々なものをモチーフとし、ほとんどそのままの形状等で種々の物品に利用・転用することをいう。
語呂:「連続痴漢よせ、後輩のリケジョ」
- 連続 →連続する単位の数の増減
- 痴漢 → 置換(置き換え)
- よせ → 寄せ集め
- 後輩の →構成比率の変更、配置の変更
- リケジョ →物品等の枠を超えた構成の利用・転用、一部の構成の単なる削除
✍ 審査基準に登場する判断要素が自然と頭に入る便利なゴロです。
◆第5条1項|登録を受けられない意匠
第5条 次に掲げる意匠については、第3条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。
一 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠
二 他人の業務に係る物品、建築物又は画像と混同を生ずるおそれがある意匠
三 物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠
語呂:「焼け昆布」
- ヤケ → 公(おおやけ)序良俗違反(1号)
- コン → 混同を生ずるおそれがある意匠(2号)
- フ → 不可欠な形状(3号)
🍴 昆布が焼けてる…けど、暗記には最適な語呂!
◆第14条4項|秘密意匠の開示要件
4 特許庁長官は、次の各号の一に該当するときは、第1項の規定により秘密にすることを請求した意匠を意匠権者以外の者に示さなければならない。
一 意匠権者の承諾を得たとき。
二 その意匠又はその意匠と同一若しくは類似の意匠に関する審査、審判、再審又は訴訟の当事者又は参加人から請求があつたとき。
三 裁判所から請求があつたとき。
四 利害関係人が意匠権者の氏名又は名称及び登録番号を記載した書面その他経済産業省令で定める書面を特許庁長官に提出して請求したとき。
語呂:「斎藤さん勝利(さいとうさんしょうり)」
- さい → 裁判所からの請求(3号)
- とう → 当事者・参加人からの請求(2号)
- さん → 参加人(2号)
- しょう → 権利者の承諾(1号)
- り → 利害関係人の請求(4号)
👑「秘密意匠の開示要件」を一気に覚える定番の語呂。
審査基準対策:工業上利用できる意匠の3要件
(1)意匠法上の「意匠」を構成するものであること(以下この章においてこの要件を「意匠
該当性要件」という。)
(2)意匠が具体的なものであること
(3)工業上利用することができるものであること
語呂:「ガイグコウ」
- ガイ:意匠に該当する(該当性要件)
- グ:具体的なものであること
- コウ:工業上利用が可能なこと
◆意匠該当性要件(第3条1項)
(1)物品、建築物又は画像(以下、「物品等」という。)と認められるものであること
(2)物品等自体の形状等であること
(3)視覚に訴えるものであること
(4)視覚を通じて美感を起こさせるものであること
(5)他の意匠との対比の対象となり得る一定の範囲を占める部分であること
語呂:「仏像建築自体が、守備範囲に該当」
- 仏像建築 → 物品・建築物・画像
- 自体 → 物品等“自体”の形状等であること
- 守 → 視覚に訴える
- 美 → 美感を起こさせる
- 範囲 → 一定の範囲を占めること
◆意匠が具体的なものであることの要件
①意匠に係る物品等の使用の目的、使用の状態等に基づく用途及び機能
②意匠登録を受けようとする意匠の形状等
③「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能
④「意匠登録を受けようとする部分」の位置、大きさ、範囲
⑤「意匠登録を受けようとする部分」と「その他の部分」の境界
語呂:「容器形状、部分の容器大地反響」
- 容器 → 用途・機能
- 形状 → 意匠そのものの形状
- 部分の容器 → 意匠登録を受けようとする部分の用途及び機能
- 大地反響 → 大きさ・位置・範囲・境界
🔍 やや苦しいですが、ポイントはつかめます。
◆工業上の利用性
ここはシンプルに覚えるのがベター。語呂はあまり効きません。
- 複数製造できること=「量産可能性」がポイント
- 例外:自然物・純粋美術はNG
番外編:意匠法の主要条文・制度を一気に覚えるゴロ(ストーリー型)
対象条文と流れ(イメージ)
2条(定義)→3条(登録要件)→4条(例外)→5条(拒絶)→10条(関連意匠)→14条(秘密意匠)→21条(存続期間)→23条(効力)
🔑 改訂語呂:「ぶけが、真に見せたら公で混乱、似たら秘密に25年守る」
🔍 意味と対応表:
| フレーズ | 条文 | 内容の意味 |
|---|---|---|
| ぶけが | 2条 | 物品・建築物・画像 → 意匠の定義 |
| 真に(しんに) | 3条 | 新規性・創作非容易性 → 登録の要件 |
| 見せたら | 4条 | 出願前に見せてしまっても → 例外的にOK(新規性喪失の例外) |
| 公で混乱(こうでこんらん) | 5条 | 公序良俗違反や需要者の混同 → 登録できない理由 |
| 似たら | 10条 | 本意匠と似た意匠を出せる → 関連意匠制度 |
| 秘密に | 14条 | 登録しても最大3年まで非公開 → 秘密意匠 |
| 25年守る | 21条 | 登録日から25年 → 存続期間 |
| (+α)類似にも効く | 23条 | 登録意匠+類似意匠に権利が及ぶ → 権利の効力 |
🧠 ポイント:
- 「ぶけが」=定義(物品・建築物・画像)
- 「真に」=本当に新しい(新規性)+容易でない(創作非容易性)
- 「見せたら公で混乱」=出願前公開はダメだが例外あり、公序良俗違反や混同は拒絶
- 「似たら秘密に」=関連意匠で似たものを別出願・秘密意匠で非公開も可
- 「25年守る」=意匠権の保護期間

まず全体像をおさえるのは大事だね。
語呂合わせの使い方とおすすめ法文集
語呂合わせは思い出すきっかけにすぎません。
反復して条文を読み込み、意味とセットで覚えることが重要です。
✅書き込み推奨!おすすめ法文集
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語呂合わせは全部法文集に書き込みましょう。

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他分野の語呂合わせまとめ
以下の記事では、他の法律(特許法・商標法・著作権法・不競法など)の語呂合わせも紹介しています。短答試験対策にぜひお役立てください。
現役弁理士が語る:意匠法の本当の難しさと攻略体験
意匠法は特許法と比べて条文の絶対数は少なく、「覚える量は少ない」という印象を持つ受験生も多いです。しかし筆者が受験した年には意匠法の大改正があり、「新しく加わった制度(内装の意匠・建築物の意匠など)」を重点的に押さえる必要がありました。改正年はその年の出題ポイントが比較的予測しやすい半面、対策が甘いと改正部分で大きく失点するリスクがあります。
意匠法で最も手ごわかったのは「類似の判断」
意匠法の中で、勉強していて一番難しいと感じたのが「意匠の類似」の判断です。特許法の新規性判断(同一かどうか)とは異なり、意匠法では「類似する意匠かどうか」という美感・視覚的印象の問題が入ってくるため、条文の文言を覚えるだけでは対応できません。
筆者は類似判断の基準を固めるために、特許庁の意匠審査基準を実務レベルで読み込むという対策を取りました。試験対策としては過剰に見えるかもしれませんが、審査基準に示された「要部認定」の考え方・類否判断の構造を理解しておくことで、初見の問題でも筋道を立てて考えられるようになりました。
語呂合わせは「条文の何号かを正確に思い出す」ための補助ツールです。意匠法では特に登録要件(第3条)や登録を受けられない意匠(第5条)の列挙事項を語呂で固め、そのうえで類似判断の考え方を理解するという「語呂×理解」の二層構造が合格への近道だと実感しています。
意匠法の試験対策まとめ:改正情報と類似判断の2点が核
意匠法で点数を確実に取るには、①その年の法改正ポイントを重点確認、②頻出条文(3条・5条・14条など)を語呂で固める、③類似判断の考え方(要部認定・視覚的印象)を審査基準レベルで理解する、の3ステップが有効です。語呂合わせは土台であり、それだけでは不十分な分野でもあります。
現役弁理士が語る:「使える語呂」と「覚えた気になるだけの語呂」の違い
語呂合わせで弁理士試験を突破した私が、実際に試験で役立った語呂と役立たなかった語呂を振り返ると、「良い語呂には3つの共通点がある」ことに気づきました。
①リズム感:口に出して自然に言えるか
本試験で焦っているとき、頭の中でスムーズに再生できる語呂かどうかが勝負を分けます。「覚えにくいな」と感じる語呂は、本番で思い出せません。声に出してみて、詰まらずに3回言えるかどうかが判断基準です。
②ストーリー性:情景が浮かぶか
語呂合わせが効くのは、条文の内容と語呂のイメージが結びついているときです。文字列を並べただけの語呂は、どうしても「なぜこの語呂?」という疑問が残り、本番で迷いが出ます。語呂を見たとき、条文の内容が映像として浮かぶかどうかを確認してください。
③復号可能性:語呂から条文を逆算できるか
最も重要な要件です。語呂から「あ、あの条文の要件はA・B・C・Dだ」と正確に復元できるか。弁理士試験は曖昧な知識では通用しません。語呂合わせはあくまで「正確な条文理解への橋渡し」なので、語呂を覚えた後に必ず条文に戻って照合する習慣をつけてください。
まとめ|語呂合わせを味方に、弁理士試験を突破しよう!
意匠法の条文は難解でも、語呂合わせを使えば記憶のフックが生まれ、グッと覚えやすくなります。
この記事のゴロが、少しでも皆さんの記憶定着に役立てば嬉しいです。
今後も「思いついた語呂」や「新たに発見した暗記法」はどんどんシェアしていきますので、ぜひ引き続きご覧ください。
📚 今日も楽しく、効率的に、勉強を進めましょう!
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